顔などの要素で判断、物流施設でも活躍に期待
両備ホールディングス傘下の両備システムズ(岡山市)とパナソニックコネクトは5月8日、2つ以上の要素を組み合わせて認証を行うセキュリティーの多要素認証システムと、多様な認証テクノロジーを組み合わせたソリューションを共同で開発すると発表した。
まず、両備システムズの多要素認証ソリューション「ARCACLAVIS(アルカクラビス)」シリーズの「ARCACLAVIS Ways(アルカクラビス ウェイズ)」にパナソニックコネクトの世界最高水準の顔認証技術を搭載した新バージョンの提供を6月1日に始める。
「ARCACLAVIS」は140万ライセンス以上の販売実績を持ち、独自開発の「まばたき検知」機能などを兼ね備えたソリューション。厳格な本人認証が求められる空港の出入国ゲートや、医療機関などが約11万9000台採用している顔認証付きカードリーダー(マイナンバーカード対応)など、様々な現場で使われているパナソニックコネクトのハイレベルな顔認証技術を、PCログオン時の生体認証として組み込む。
両社は今後、教育や医療など様々な業界のデジタル化における多様なセキュリティーの課題解決に向け、新たなソリューションを共同で作り出す計画。物流施設のセキュリティー確保策としても活躍が見込まれる。
両社の技術を組み合わせる具体的な利用シーンとして、子供たちの個人情報を取り扱う校務支援システムにつながる校務用PCや、患者の詳細な個人情報を管理する医療情報システムにつながるPCなどを想定。顔認証技術はマスク着用のほか、めがねの着用や顔の角度、経年変化にも対応できるという。
「まばたき検知」によるなりすまし防止
今後は、パナソニックコネクトのテクノロジーと両備システムズの多要素認証ツール「ARCACLAVIS」および同製品と親和性が高い医療向けのセキュリティサービスパッケージ「Ryobi-MediSec」などを活用し、医療分野に向けてセキュリティソリューションを展開する。
併せて民間企業、自治体、教育機関など、医療分野に限らず厳格な本人確認や利便性の向上が求められる市場に対しても、両社の高い技術力と豊富なラインアップで最適なソリューションを提供し、両社は2030年度にセキュリティ事業の売上高20億円を目指す。
多要素認証のイメージ
(藤原秀行)※いずれも両社提供