三井不動産、24年問題考慮し「中継輸送」向け立地の物流施設が宮城・名取で竣工

三井不動産、24年問題考慮し「中継輸送」向け立地の物流施設が宮城・名取で竣工

東北圏初案件、4.5万㎡

三井不動産は5月14日、宮城県名取市で新たな物流施設「三井不動産ロジスティクスパーク(MFLP)仙台名取Ⅰ」が4月30日に竣工したと発表した。

地上4階建て、延床面積は4万5072㎡。同社としては東北圏初の物流施設案件。「2024年問題」を考慮し、東北6県と首都圏をつなぐ「中継輸送」のハブ拠点となる好立地に開発した。

地域の防災力向上に貢献する緊急指定避難場所として整備しており、3階の貨物車両通行スペースの一部を一時避難場所として確保。5月23日付で地元名取市と防災協定を締結した。

東日本大震災級の津波が発生した際にも荷物や施設設備の浸水を防ぐため、建物床高さを想定浸水レベルよりも高い位置に設定し安全性を確保するなど、BCP対応を充実させている。72時間対応の非常用発電設備や災害時に従業者に配布可能な3日分の防災備蓄品も備える。


MFLP仙台名取Ⅰの外観

仙台東部道路の名取中央スマートICから約900mに位置。国道4号線にも至近で、東北6県の物流ハブとなり得る交通環境で建設した。中継輸送拠点に加え、東北6県への足元配送にも適していると見込む。

仙台港や仙台国際空港にもアクセスしやすく、仙台東部道路は首都圏と宮城県を結ぶ常磐自動車道に直結する物流の重要ルート。


防災協定を締結した名取市と三井不動産の関係者

トラックバースは40ftコンテナ車両に対応、1階倉庫床の積載荷重は2.0t/㎡(他フロアは1.5t/㎡)、有効天井高は 5.6m以上(2階のみ7.2m)と設定。さまざまな保管ニーズに応える。

休憩時にリフレッシュできるラウンジを2カ所に設置、ラウンジにおけるWi-Fiの提供や24時間無人コンビニの導入、ドライバー休憩所など、快適で働きやすい環境の整備に努めている。

共用部はアーキボックスがデザイン・監修し、自然を内部に取り込みながら、働く人が気持ちをリセットできる居心地の良い空間づくりを目指した。エントランスホールには宮城で採掘される秋保石を使用、間接照明を用いて柔らかい雰囲気を醸し出そうとしている。


1階 ラウンジ


1階 ラウンジ


エントランスホール


3階 ラウンジ

屋上に設置予定の太陽光発電パネルによる創エネ、屋内照明のLED化による省エネなどにより、年間の一次エネルギー消費を実質的にゼロとする『ZEB』認証、DBJ Green Building 認証を取得予定。

Hacobuのバース予約システム「MOVO Berth」を標準採用しており、同システムにトラック車番認証システムを連携させ、トラック入庫の事前把握と準備によるドライバー業務の一層の効率化を支援できるよう、検討を進める。

■施設概要

名 称

三井不動産ロジスティクスパーク仙台名取Ⅰ(MFLP仙台名取Ⅰ)

所 在

宮城県名取市飯野坂字南沖七十四番一号

敷地面積

20,060㎡ (6,068.15坪)

延床面積

45,072㎡ (13,634.28坪)

規模・構造

地上4階建て・S造

設計者・施工者

西松建設株式会社

共用部デザイン・監修

株式会社アーキボックス

竣 工

2024年4月30日

■位置図
<広域図>

<狭域図>

(藤原秀行)※いずれも三井不動産提供

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