新計画公表、製造・流通業向けに作業の完全無人化ソリューション提供
ダイフクは5月10日、2030年度の在りたい姿を表した「Driving Innovative Impact 2030」と、その達成に向けた「2027年中期経営計画」を公表した。
目指すべき社会価値として「『モノを動かす』技術で物流や生産現場などの社会インフラを支えます 食や環境などの新たな領域で社会課題解決へ貢献します」と明言。
業績目標は2030年度の連結売上高1兆円、営業利益率12.5%、ROE(自己資本利益率)13.0%に向けて、27年度に連結売上高8000億円、営業利益率11.5%、ROE13.0%を掲げている。
中期経営計画では「戦略投資枠」として800億円を設定。滋賀事業所の再開発、北米・インドの工場新設などを想定している。
領域別の事業戦略では、エアポート(空港)向けは北米の事業拡大継続とアジア・欧州の事業基盤確立を推進。空港運用マネージメントシステムの開発・拡販など、空港運用のデジタル化支援にも注力する。
一般製造業・流通業向けのイントラロジスティクスは、庫内作業などの完全無人化ソリューションを提供。先端技術を駆使した設備の予知保全や稼働モニタリングを積極的に提供する。
さらに、ビジネスイノベーション本部の設立、AIといった新技術への投資など、新規事業の育成も図る。
温室効果ガス排出量は30年度に、18年度比でスコープ1と2を合わせて60%削減するとともに、新たな目標として再生可能エネルギー由来の電力比率を全体の80%まで高める方針を示している。このうち日本国内は27年度に100%を達成するシナリオを描いている。
同社の下代博社長は同日、オンラインで開催したメディア向け決算説明会で「完全無人化ソリューションの提供など、次世代事業への挑戦をこれからも続けていきたい」と決意を示した。
(藤原秀行)