ホワイトナイト、完全子会社化目指す
SGホールディングス(HD)は5月31日、C&FロジホールディングスにTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。
SGHDは最終的にC&Fロジの全株を取得、完全子会社化することを目指す。TOBは6月3日から7月12日まで。
SGHDは今後も成長が見込まれる低温領域の物流に強みを持つC&Fロジを傘下に収め、3PLなどの事業基盤強化や海外市場開拓を図る。
併せて、「2024年問題」を踏まえ、両社の物流リソースを組み合わせて業務を効率化し、ドライバー不足などの課題を克服していきたい考えだ。
C&Fロジは5月31日、SGHDのTOBに賛同、自社株主に応募を呼び掛ける意向を表明した。
C&Fロジに対しては、AZ-COM丸和ホールディングスが5月2日、C&Fロジ経営陣の同意を得ないまま同じくTOBをスタート。期間は6月17日までと設定しており、やはり最終的には完全子会社化を目標にしている。
C&Fロジはこれまで、AZ-COM丸和のTOB表明後、SGHDを含む複数の企業や投資ファンドからホワイトナイト(第三者による対抗の買収)提案が寄せられ、検討する必要があるとして明確な賛否を示してこなかった。SGHDのTOB受け入れに伴い、AZ-COM丸和のTOBには反対する姿勢を正式に表明した。
TOBの1株当たり買い付け価格は、SGHDは5740円で、AZ-COM丸和の3000円を大きく上回っており、C&Fロジの5月31日の株価終値(4865円)よりも高い。AZ-COM丸和は厳しい立場に追い込まれており、今後はSGHDに対抗して買い付け価格を引き上げるなどの措置に乗り出すかどうかが焦点となる。
SGHDのTOBは買い付け数の下限を、全株の6割強に相当する1437万2000株と設定。仮に全ての株をTOBで取得した場合、買い付け総額は約1237億円となる。
(藤原秀行)