三井不と日鉄興和不が東京・板橋で共同開発の大規模物流施設、ドローン実証実験可能な専用施設を日本初導入

三井不と日鉄興和不が東京・板橋で共同開発の大規模物流施設、ドローン実証実験可能な専用施設を日本初導入

JUIDAとブルーイノベーションが運営、ラストワンマイル配送や災害時の支援物資輸送など実用化後押し

日本UAS産業振興協議会(JUIDA)とブルーイノベーション、三井不動産、日鉄興和不動産の4者は6月5日、三井不動産と日鉄興和不動産が東京都板橋区舟渡で共同開発している物流施設「MFLP・LOGIFRONT東京板橋」に、ドローンの実証実験が可能な専用施設「板橋ドローンフィールド(板橋DF)」を開設すると発表した。

MFLP・LOGIFRONT東京板橋は今年9月末に竣工する予定。完成した後はJUIDAとブルーイノベーションが板橋DFの運営を担う。

昨年1月に三井不動産と日鉄興和不動産がMFLP・LOGIFRONT東京板橋の共同開発方針を公表した際、既にドローン物流の研究開発が可能な設備を設ける構想を明らかにしていた。今回は構想の概要を初めて公表した。賃貸物流施設にドローンの実証実験が可能な専用施設を設けるのは国内で初めてとみられる。

MFLP・LOGIFRONT東京板橋は地上6階建て、延床面積は25万㎡超を計画しており、ワンフロアで約1万1000坪と都内最大規模の物流施設になる見通し。


MFLP・LOGIFRONT東京板橋の竣工イメージ(三井不動産と日鉄興和不動産提供)

物流施設の広大な敷地を活かしてドローン飛行用のフィールドを設けるほか、倉庫の一部スペースをドローン事業者などへの賃貸用R&D区画として整備。建物の一角から実際にドローンを離陸させられるエリアを設けるなど、ドローンによるラストワンマイル配送や災害時の支援物資搬送といった用途での活用を想定した実証実験の場を提供する。

物流施設天井に設置する太陽光発電設備の点検をドローンで行うなど、物流施設の建物や設備を活用することも想定している。将来は隣接する新河岸川の水面上をドローンが飛行できるようにすることも念頭に置いている。


板橋DFの概要


板橋DFのイメージ

4者は物流業界や建設業界の「2024年問題」に象徴される労働力不足の課題解決や、昨今の自然災害時への対策などさまざまな社会課題の解決に向け、板橋DFをドローン普及の一助にしていきたい考えだ。

千葉市の幕張メッセで同日開幕したドローンの大型国際展示会「JapanDrone2024」会場で会見したブルーイノベーションの熊田貴之社長は「都心にこれだけの規模の検証場所ができることは非常に意義が大きい。当社としてもこの施設を最大限活用していきたい」と語った。

ドローンはMFLP・LOGIFRONT 東京板橋の屋根に設置する太陽光発電システムなど、物流施設の各種設備の点検など幅広い役割を担う計画。


会見後の撮影に応じる(左から)三井不動産ロジスティクス事業部事業グループ主事の小菅健太郎氏、ブルーイノベーション・熊田社長、日鉄興和不動産企業不動産開発本部ロジフロント事業推進部開発グループチーフマネージャーの池田智氏

【施設概要】 
名称:MFLP・LOGIFRONT東京板橋
所在地:東京都板橋区舟渡4-3-1
敷地面積:約93,200㎡
延床面積:約256,100㎡
規模・構造:地上6階建・S造(倉庫)・免震構造
設計者:日鉄エンジニアリング株式会社
施工者:日鉄エンジニアリング・佐藤工業共同企業体
監修者:株式会社フクダ・アンド・パートナーズ
着工:2023年2月1日
竣工:2024年9月末(予定)

(藤原秀行)※いずれも4者提供

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