「ニコ動」などへの大規模サイバー攻撃受け、6月末めどに復旧目指す
KADOKAWAは6月14日、子会社のドワンゴが展開している動画共有サービス「ニコニコ動画」などのシステムがサイバー攻撃を受けてダウンしているのを受け、被害拡大とデータ保全のため、他のサービス領域でもシステムの機能を停止していると発表した。
中核の出版事業で国内紙書籍の受注システム、デジタル製造工場・物流システムの機能をストップ。受注停止や生産量減少、物流の遅延に伴って出荷数量が落ち込んでいるという。
他にも、複数のオンラインショップで商品の受注ができなくなったり、出荷が一部で遅延していたりするという。また、経理業務でも決済システムが一時的に機能を止めており、取引先の一部に支払い遅延が生じる可能性があると説明している。
KADOKAWAによると、情報漏洩が発生しているかどうかは調査中。
今後の対応について、KADOKAWAは「事業活動の根幹の経理機能立て直しと、売り上げ規模が大きい出版事業の製造・物流機能の正常化については、最優先の取り組み事項として、来週以降段階的に実現させ、6月末をめどとして、安全なネットワーク、サーバ環境の構築と基幹システムの復旧を目指す」と強調している。
KADOKAWAによれば、6月8日にグループの複数のサーバーにアクセスできない障害が起き、調査したところ、「ニコニコ動画」などのサービスを標的とした大規模なサイバー攻撃を受けたことが判明した。
「ニコニコ」のウェブサービス復旧に関しては、安全な環境下でシステムを再構築するため、1カ月以上要する見通しという。再開できるサービスから順次復旧する方針。
（藤原秀行）
