航空燃料不足対応、外航タンカーを国内輸送用に切り替えへ

航空燃料不足対応、外航タンカーを国内輸送用に切り替えへ

官民タスクフォースで行動計画原案提示、ローリー台数確保なども列挙

経済産業、国土交通の両省は7月16日、国内の一部空港で航空燃料が不足している事態を受け、対応を協議する「官民タスクフォース」を開催、行動計画の原案を提示した。

この中で、短期的な取り組みとして、各空港で必要としている航空燃料の需要量を把握した上で、航空燃料の増産や輸入を拡大するとともに、製油所から空港までの輸送体制強化を推し進める方向性を提示。地方空港の国際線新規就航や増便の情報を石油元売りといった供給側へ迅速に伝えられるようにすることなどを念頭に置いている。

輸送力強化の一環として、日本船籍の外航タンカーを国内輸送向けに切り替えることなどを視野に入れている。

中長期の取り組みでは、製油所や空港の燃料タンク増強、タンクローリーの台数確保、輸送する船舶の大型化などを展開することを打ち出している。

官民タスクフォースは大手航空会社や空港運営会社、内航海運の業界団体、石油元売り大手の幹部らが参加している。両省は官民タスクフォースのメンバーとも調整した上で、早期に行動計画を正式決定、対策に順次着手していきたい考え。

新型コロナウイルス禍の沈静化を受け、海外からの来日客(インバウンド)が回復しており、日本の空港への新規就航や増便を希望する海外の航空会社が相次いでいる。

しかし、製油所から航空燃料を輸送する内航船が不足していることなどが響き、航空燃料を十分調達できない航空会社が相次いでいる。政府は6月、官民タスクフォースの初会合を開催した。

(藤原秀行)

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