25年前半以降に搭載見通し、狭いエリアも走行可能に
ラピュタロボティクスは7月19日、自動フォークリフト(AFL)「ラピュタAFL」に関し、新たにトラックの荷積み・荷降ろしを自動的に行う機能を追加すると発表した。東京都内で同日、新機能のデモをメディアに公開した。
AFLに搭載している高機能センサーなどを駆使し、トラックの荷台からパレット積みの荷物を降ろしたり、積み込んだりする。「2024年問題」への対応の一環で、物流業界が政府から物流センターの荷積み・荷役時間短縮を強く求められているのをサポートしたい考え。
併せて、高さがまちまちでもパレットで段積みしたり、荷物が詰まっていて走行可能なスペースが狭いエリアでも、片側が15cmほど空いていれば通行して平置きしたりできる機能も追加する。
ラピュタは2025年前半以降、現場に納入するAFLに各機能を搭載する見通し。
トラックの荷台から荷物を取り降ろす
高所に荷物を格納する
この日のデモでは、トラックの荷台からAFLがパレット積み荷物を取り降ろし、別の仮置き場に段積みしたり、ラックの上段に収めたり、ラックから取り出した荷物をトラックの荷台に積み込んだりした。作業はいずれも人間が行うよりは時間を要したものの、特に問題もなく円滑にこなした。
ラピュタのAFLは昨年4月に発売。三菱ロジスネクストの国産車体をベースに、高機能のLiDARセンサーで自分の現在位置や周辺の状況などを確認、パレット積みの荷物を持ち上げて移動させる。床面に誘導用のテープや反射板を貼る必要がなく、導入時の手間を大幅に減らせるのがメリット。
現状では1時間当たりパレット30枚分程度の荷物を取り扱えるという。既に安田倉庫やTOTO、鈴与、SBSロジコムが物流現場への導入を公表している。
ラピュタの有元啓祐自動フォークリフト事業部長はデモに併せてメディアの取材に応じ、30分程度でトラックの荷積み・荷降ろしが完了できるよう、今後もAFLのソフトウエア改良などを進める方針を表明。冷凍・冷蔵倉庫への対応なども検討していく意向を示した。
(藤原秀行)