コールドチェーン物流強化狙い
港湾物流を手掛ける苫小牧埠頭(北海道苫小牧市)は7月26日、輸送用冷凍・冷蔵機メンテナンスで道内大手のロードボス(同)に出資したと発表した。
両社は今年4月、資本・業務提携契約を締結済み。苫小牧埠頭がロードボスの第三者割当増資を同日付で引き受け、発行済み株式の33.4%分を取得した。取得額は開示していないが、数千万円とみられる。
冷凍・冷蔵庫などの保管・荷捌き事業を担う苫小牧埠頭と、冷却機能付きトレーラー・コンテナの保守・提供を展開しているロードボスが双方の施設と設備、ノウハウを組み合わせることで、海上輸送へのモーダルシフトも含めた優良・効率的なコールドチェーンのサービスを安定的に提供し、北海道の優れた農水産品や加工品などの出荷・輸出拡大につなげていきたい考え。
苫小牧埠頭は苫小牧港東港で多温度対応の冷凍・冷蔵庫「北海道クールロジスティクスプレイス」を運営しているほか、地球温暖化の影響などから道内で栽培が本格化しているサツマイモを苫小牧で集約・選果するなど、新たな事業領域の開拓にも着手している。
ロードボスは北海道を地盤とし、トレーラーやリーファーコンテナに取り付けた冷凍・冷蔵機の修理・メンテナンス事業のほか、冷凍機付トレーラーやリーファーコンテナの販売およびリース事業なども運営しており、現在は自動車特定整備業の認定を取得の上、車検整備も実施している。
温度管理食品の遠距離輸送を円滑に行うためには、輸送用冷凍・冷蔵機を適切かつタイムリーにメンテナンスする体制の整備と専用車両の安定供給が求められる。苫小牧埠頭はロードボスとタッグを組み、コールドチェーン関連の物流基盤を強化したい考え。
(藤原秀行)