ESG不動産評価、アメニティーサービスへのアクセスの良さなど重視

ESG不動産評価、アメニティーサービスへのアクセスの良さなど重視

国交省の検討会が検討、次回会合で中間取りまとめ原案議論へ

国土交通省は5月28日、東京・霞が関の同省内で、「ESG不動産投資のあり方検討会」(座長・中川雅之日本大教授)の第3回会合を開催した。

国内外から継続的に投資を呼び込むため、機関投資家らの間で投資対象を選定する際に重視すべき視点として広まっている理念「ESG(環境・社会・企業統治)」への配慮を日本の不動産投資市場で定着させる方策の中間取りまとめに関し、事務局から骨子案を提示した。

国内の不動産市場や不動産投資市場で評価に用いられ始めているESGについて、必ずしも日本特有の少子高齢化や自然災害といった社会課題に即したインデックス(内容)になっていないとの指摘があることを紹介。

短期的なリターンと中長期的な不動産価値控除の両面を意識し、各事業者らの自主的な対応を引き出すことが重要との見解を示した。

具体的な取り組みについては議論が続いているため盛り込まなかったが、この日の会合ではカフェテリアなどアメニティーサービスへのアクセスの良さ、広場といった公共空間との連携の円滑さといった点が中長期的に不動産価値にも反映される可能性があることや、高齢者施設や保育所などを有する不動産への投資、運営手法の革新につなげていくことが重要といった点に言及した。

6月中をめどに開く次回会合では、中間取りまとめの原案を議論する見込み。不動産ファンドや不動産会社などが投資している不動産が、上記のようなポイントを通じてESGの領域に貢献している度合いを分かりやすく示すための指針策定などが取り上げられるとみられ、アメニティー設備の充実を図っている先進的な物流施設も該当しそうだ。


第3回会合

(藤原秀行)

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