川崎重工も船舶用エンジンの性能検査で不正判明

川崎重工も船舶用エンジンの性能検査で不正判明

装置操作しデータ書き換え

川崎重工業は8月21日、船舶用エンジンの性能検査で不正を行っていたことが判明したと発表した。

エンジンの工場試運転の際、担当者が燃料消費率を客先仕様に基づく許容値に収めたり、各種データのばらつきを抑えたりするため、検査装置を操作し、データを書き換えていた。

2000年以降に建造した船舶に採用したNOx(窒素酸化物)規制対象エンジン674台を調べた結果、ほぼ全ての673台でデータの書き換えがあったという。

同社によると、不正の結果、エンジンのNOx放出量に影響を及ぼしている可能性があるという。現時点でエンジンの安全性に影響がある事案は見つかっていない。

今年4月、IHIグループのIHI原動機がやはり船舶用エンジン燃料消費率のデータを改ざんしていたことが発覚。国土交通省が他のメーカー各社に調査を要請した結果、7月には日立造船子会社で船用エンジン事業を手掛ける日立造船マリンエンジンとディーゼルエンジン製造などを担っているアイメックスの2社が同じく、船用エンジンの燃料消費率測定でデータを改ざんしていたことが明らかになった。

国交省は8月21日、川崎重工の報告を受け、同社製の当該エンジンがNOx規制に合致していると確認できるまで、規制基準を満たした製品と保証する証書を同社に交付しないと発表、再発防止策を講じることも指示した。

(藤原秀行)

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