県とNEXT DELIVERY、セイノーラストワンマイル、富岳通運が提携
山梨県とエアロネクスト子会社でドローン物流を手掛けるNEXT DELIVERY、セイノーホールディングス(HD)傘下で宅配事業などを担うセイノーラストワンマイル、富岳通運(山梨県甲府市)の4者は8月30日、県における「フェーズフリー」な地域物流インフラの構築に向けた連携協定を8月28日付で締結したと発表した。
エアロネクストとセイノーHDはトラックや軽バンなどの陸上配送とドローン輸送を組み合わせ、地方エリアの物流を効率化する新スマート物流「SkyHub(スカイハブ)」を展開。山梨県の「第1期TRY!YAMANASHI!実証実験サポート事業」による試験的運用を経て、2021年10月から日本で初めて同県小菅村で社会実装し、現在は北海道上士幌町や福井県敦賀市など全国10自治体で展開している。
協定を締結した(左から)山梨県・長崎幸太郎知事、NEXT DELIVERY・田路圭輔代表取締役、セイノーラストワンマイル・河合秀治社長、富岳通運・浅沼克秀代表取締役
NEXTDELIVERY、セイノーHD、富岳通運などは「2024年問題」対策として各社のリレー方式で物流の効率化を図る共同配送を、昨年8月に山梨県の小菅村・丹波山村でスタート。中山間地域の物流で大手物流会社含む複数社が共同配送しているのは全国でも珍しいという。
富岳通運は22年8月に山梨県と災害時における山梨中央ロジパークの施設使用に関する連携協定を締結。県下27市町村と災害時の連携協定を結んでいる。
エアロネクストとNEXT DELIVERYは今年1月に起きた能登半島地震で、孤立集落・避難所へのドローンによる医薬品の物資輸送を国内で初めて実施した経験を踏まえ、平時、有事を問わず、ドローンを活用したフェーズフリー型統合ソリューションの構築が必須と判断。これまで推進してきたSkyHubがその基盤になり得るとみて、国や自治体と協議を始めている。
今後は協定に則り、4者が相互に連携・協力し、山梨県における2024年問題など平常時の地域の物流ネットワークの強化や買い物弱者対策、災害時の被災地への迅速な物資輸送を可能とするフェーズフリーな地域物流インフラの構築を促進、県民生活や地域経済基盤の強靱化を目指す。
小菅村のドローン配送の様子
2023年8月に実施した共同配送出発式の様子(道の駅こすげ)
(藤原秀行)※いずれもNEXT DELIVERYなど提供