値引き分一部負担、不要な物流センター利用料徴収も
公正取引委員会は9月4日、パルシステム生活協同組合連合会(東京都新宿区大久保)に対し、プライベートブランド(PB)商品の製造を委託していた下請け企業に支払う代金を不当に減額していたのは下請法に違反していると指摘、再発防止へ是正を勧告した。
減額は下請け企業5社で計約2770万円。パルシステムは8月6日、減額した分を全て下請け5社に支払った。
パルシステムは関東などの10の地域生協が参加し、各生協に食料品などを卸している。約170万世帯が加入している。
公取委によると、パルシステムは2023年4月から今年6月までの間、下請けの5社に払う下請け代金から総額約2770万円を減らしていた。セール時の値引き分の一部を下請け企業4社に負担させたほか、他の1社からは払う必要がない物流センター利用料を徴収していたという。
下請法は、下請け企業に責任がない場合、当事者同士が同意していても、仕事を発注した後に代金から減額することを禁止している。
パルシステムは9月4日、「本勧告を受けるに至った事態を重く受け止めています。下請法をはじめとする法令順守につきましては、役職員一同、あらためて認識と自覚を強めるとともに、役職員への教育の徹底や点検体制の強化など、再発防止への体制整備に努めてまいります」とするコメントを発表、謝罪した。公取委に指摘された取引形態は廃止したと説明している。
(藤原秀行)