「独禁法上の問題あるとはいえない」と審査結果発表、実現へ大きく前進
公正取引委員会は1月30日、ANAホールディングス(HD)が日本郵船から傘下の日本貨物航空(NCA)買収を目指している件に関し「独占禁止法上の問題があるとはいえないと判断した」との審査結果を発表した。独禁法に基づく排除措置命令を行わない旨をANAHDに通知、買収を承認した。
買収に伴い、日米間の国際貨物路線の一部でANAグループのシェアが高まる見通しとなるため、公取委が公正な競争環境確保に支障が出ないかどうか審査を進めていた。ANAグループは貨物の搭載枠を他の航空会社に一定期間貸し出す「ブロック・スペース・アグリーメント」を実施することを提案したため、公取委が承認した。
ANAHDは当初、2023年10月にNCAを子会社化する予定を公表していたが、規制当局による独禁法上の審査に時間を要し、これまでに期限を4回延期していた。現在は今年3月末を目指している。
公取委の判断により、買収の実現に向け大きく前進することになった。今後は中国の規制当局の判断が待たれる。
(藤原秀行)