不正の有無未確認車両が追加で判明、安全確認を優先
JR貨物は9月11日、列車整備の際、車輪に軸を取り付けた「輪軸」を組み立てる作業でデータを改ざんするなどの不正を行っていたことが判明した問題を受け、全ての貨物列車の運行を一時停止した。
既に9月10日、安全性を確認できない列車は運行を停止する方針を決めていた。その後、新たに不正の有無がはっきりしない300車両出てきたことから、全線で運行をストップ、安全確認を優先することにした。
安全の確認が取れた車両から順次、運行を再開する見込み。
不正は取り付けの際、軸を車輪に押し込む力が基準値の上限を超えた場合は傷が付いて強度が弱まってしまう可能性があるが、基準値内に収まったように数値を改ざん、検査記録表に記入するなどの行為があった。上限を超えたのにそのままにしていたケースも見られた。
JR貨物によると、不正を行っていたのは北海道支社輪西車両所(北海道室蘭市)、関東支社川崎車両所(川崎市)、関西支社広島車両所(広島市)の3カ所。不正の件数は9月10日の発表時点で輪西車両所が貨車309両、川崎車両所が貨車218両、広島車両所が機関車4両と貨車33両だった。
国土交通省は9月11日、鉄道事業法に基づき、JR貨物に特別保安監査を実施、安全管理体制に問題がないか調査を始めた。
(藤原秀行)