国際間の海上輸送実現にらみ、準備を加速
邦船大手3社、今治造船とジャパン マリンユナイテッドの共同営業設計会社の日本シップヤード、三井物産、三菱商事、三菱造船の7社は9月18日、低圧仕様の液化CO2輸送船(LCO2輸送船)の2船型について、アメリカ船級協会と日本海事協会(NK)の2団体から基本設計承認(Approval in Principle、 AiP)を取得したと発表した。
国内で回収したCO2を地下に貯留するCCSの展開に伴い、海上輸送の手段としてLCO2輸送船の需要拡大が見込まれていることから、三菱造船、日本シップヤード、三井物産、三菱商事は日本国内での安定的なLCO2輸送船の建造・供給、CCSバリューチェーンの実現と経済性向上を目的に、各プロジェクトを横断したLCO2輸送船の標準化や建造サプライチェーンの確立を図ってきた。
今回、邦船大手3社ともタッグを組み、AiPの取得にこぎ着けた。CCS海上輸送の実現をにらみ、準備を加速させたい考え。
AiPを取得したLCO2輸送船は、長距離大量輸送を見据えた低圧仕様の5万㎥級および2万3000m㎥級の2船型で、貨物タンクの鋼材として従来のニッケル鋼に代わる適切なタンク鋼材の適用を前提としているほか、製造工程確立で重要な課題となる溶接後熱処理(PWHT)を効率的にこなせるようにしているのが特徴。
AiP授与式(上がABS、下がNK)
(藤原秀行)※プレスリリースより引用