全国初、画像撮影で被災地の情報収集など検討
陸上自衛隊東部方面隊と日本UAS産業振興協議会(JUIDA)は2月15日、陸上自衛隊朝霞駐屯地(埼玉県朝霞市など)で、大規模な災害発生時のドローン(小型無人機)を活用した応援に関する協定を締結した。
双方が協力し、隊員らが行けない危険な災害現場をドローンで上空から画像に収め、状況を把握して救助活動を素早く進めることなどを想定。両社で具体的な連携の内容を詰める。陸自とドローン事業者が災害時の協定を結ぶのは全国で初めて。
協定に調印した嶋本部長(右)と鈴木理事長
協定調印後の撮影に応じる陸自、JUIDA双方の関係者
協定調印式①
協定調印式②
対象となる地域は関東甲信越の1都10県。広域に及ぶ地震や水害などが起きた場合を念頭に置いており、今後は双方でドローンの安全運航を訓練したり、必要となる情報を共有したりすることも目指す。
協定に調印した後、陸自東部方面総監部の嶋本学情報部長(1等陸佐)は、交通渋滞を気にせず移動できることや建築物の上層部分を撮影できることなどを踏まえ「ドローンは非常に有効な情報収集手段だと思っている。迅速な災害救助活動に直結する」と期待を表明した。
JUIDAの鈴木真二理事長(東京大大学院教授)は「どのように活用していくのが有効なのかを含めて検討していきたい」と語り、救援物資などの運搬の面でも協力する可能性を示唆。
併せて、「今回のような協定によってお互いの情報交換がきちんとできるようになることが一番大きい。JUIDAの会員は全国的なネットワークを持っているので、広域災害で大きな力を発揮できるのではないか」と述べた。
(藤原秀行)