日系総合デベロッパー初、三菱地所がインドで物流施設に投資

日系総合デベロッパー初、三菱地所がインドで物流施設に投資

デリー首都圏の既存2件対象、経済成長受けグレードA案件への需要見込む

三菱地所は9月18日、アジア太平洋地域を基盤とした不動産投資会社Rava Partners(ラヴァ・パートナーズ)が出資するLogicap Management(ロジキャップ・マネジメント)とインド・デリー首都圏の既存物流施設に投資したと発表した。

対象はデリー中心部から南西約30kmに位置するハリヤナ州グルグラム(旧称グルガオン)圏内で満室稼働中の大型物流施設「Khijuri(キユリ)」、「Farrukhnagar(ファルクナガール)」の2件。合計敷地面積は約29ha、合計有効面積は約18haで竣工はそれぞれ2021年と22年だった。

三菱地所がインドで物流施設に投資するのは初めて。同社によれば、日系総合デベロッパーとしても初という。

インドは昨今、顕著な人口増加に伴い、2025年までに世界第4位の経済規模に成長するとIMF(国際通貨基金)が予想。消費市場の伸びとともに物流需要が増加している一方、国内全土で高品質の物流施設の供給が逼迫している。

投資対象の大型物流施設は、以前より製造業の集積地で、近年では情報技術等の新興産業クラスターとしても発展、交通インフラが整ったインド・デリー首都圏南西部に立地する最先端の大型案件という。

三菱地所は2023年、インド・チェンナイのビジネスパーク開発「International Tech Park Chennai, Radial Road」への参画を手始めに、インドに進出した。

インドは近代的な賃貸需要に応えるグレードA物流施設の数がまだ限定的で、日本国内の同グレードストック総量の約6%の規模にとどまっているという。

投資対象の施設があるエリアはソフトウェア、情報技術、サービス業といった新しい産業が集積し、郊外には自動車部品、電子機器、繊維、重機などの製造業が拠点を置いていることから、物流拠点として交通インフラの整備が進んだという。

また、日系自動車会社の大規模工場があることでも知られ、空港近郊には外資系企業も多く集まるオフィス街が存在している。

デリーを囲む環状線(Western/Eastern Peripheral Expressway)を起点として、他の主要都市へ続く複数の国道が接続されており、本施設は環状線まで近距離に立地していることから、デリーのほか、多方向へのアクセスが容易。

両物件はそれぞれ米国グリーンビルディング協会のLEED認証制度でゴールド、インドグリーンビルディング協会の環境認証制度でゴールド評価を取得済み。

物件概要

(藤原秀行)※いずれも三菱地所提供

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