25年1月予定、グローバル事業成長図る
鴻池運輸は9月27日、インドで鉄鋼スラグの処理を手掛けるFerro Scrap Nigam(フェロ・スクラップ・ニガム、FSNL)を買収すると発表した。
親会社でインド政府鉄鋼省傘下の国営企業Metal Scrap Trade Corporation(メタル・スクラップ・トレード・コーポレーション、MSTC)から、FSNLの全株式を2025年1月15日付で取得する。取得額は32億ルピー(約55億6800万円)の予定。11月に株式譲渡契約を締結する。
FSNLの民営化に伴い、インド政府が株式譲渡の公開入札を実施、鴻池運輸が落札した。
インドは粗鋼生産量が2023年は1億4000万tと世界第2位の実績を持ち、30年までに3億tへ能力を引き上げることを政府が公表。今後、世界の鉄鋼業界をけん引することが見込まれる。
FSNLはインド国内の製鉄所で副生されるスラグ(製鉄過程で発生する副産物)の処理、スラグ中に含まれる金属成分の回収と利材化を目的とした加工、取扱品の物流事業を展開している。
鴻池運輸は国内の製鉄所で製鉄原料管理、鉄鋼製品の加工・梱包、物流、設備メンテナンスなど様々な業務に携わっている。FSNLへの技術導入などで連携、グローバル事業の成長につなげていきたい考え。
FSNLの2024年3月期の売上高は43億4600万ルピー(約75億6200万円)、当期純利益は6億4900万ルピー(約11億2900万円)だった。
(藤原秀行)