大阪ガスと連携、物流やエンジニアリングなどでサポート
鴻池運輸は10月18日、大阪ガスが推進しているインドの都市ガス事業に参画すると発表した。
大阪ガスの海外子会社OSAKA GAS SINGAPOREが保有する日系コンソーシアムの株式の一部を、鴻池運輸が取得する。取得額は開示していない。
鴻池運輸は、インドで2008年に拠点を開設して以降、鉄道輸送事業、メディカル事業（コンサル、滅菌事業）、鉄鋼事業など、大きな需要増と高成長が想定されるインド市場での業容拡大・深化を進めている。
都市ガス事業は日本国内の都市ガス製造所の保全やLNG（液化天然ガス）輸送、設備の運用管理・メンテナンスを担うなど、長年にわたり大阪ガスの都市ガス事業とともに歩んできた実績がある。鴻池運輸は需要拡大が見込まれる都市ガスにも事業領域を広げ、海外事業をさらに伸ばしていくことを念頭に置いている。
インド政府は、経済成長に伴うエネルギー需要増大と低炭素化・大気汚染対策として都市ガスインフラ整備による天然ガス自動車（CNG車）の普及などを後押しし、天然ガスの利用拡大を図っている。
インドの都市ガス事業は、事業エリアごとに行われる入札で事業者などが決まり、落札事業者は一定期間の排他的なガス販売権やインフラ占有権などを得ることができる。
大阪ガスはこれまでに2度の出資を通じて、インフラ投資を手掛ける米I Squared Capital、エネルギー関連のインフラ開発を担うシンガポールのAG＆Pグループ、住友商事、海外交通・都市開発事業支援機構（JOIN）と共同で、インドの都市ガス事業に参入、事業拡大に取り組んできた。
日本国内の都市ガス事業で培ったノウハウを生かして、現地に人員を派遣し、技術や営業の支援などに注力している。
インド南部の郊外を中心としたAG＆P事業エリアと、インド北中部の都市部を中心としたThink Gas事業エリアがあり、事業面積はインド国土の1割に相当する約32万㎢（日本の国土の約9割）に及ぶ。
鴻池運輸は物流やエンジニアリングなどの面で事業成長を後押ししていく計画。他の事業パートナーとともにCNGステーションや都市ガス導管網などの都市ガスインフラの整備を促進し、交通用を中心に、家庭用・業務用・産業用向けに都市ガス販売拡大を目指す。
インド都市ガス事業の概要
事業エリア
（藤原秀行）※いずれも鴻池運輸提供
