【独自取材】SNSの“バイトテロ”や情報漏えい、物流現場でも要注意!

【独自取材】SNSの“バイトテロ”や情報漏えい、物流現場でも要注意!

プロロジス主催セミナーでエルテス・平野氏が心構えと対策指南

プロロジスはこのほど、荷主企業を対象に「雇用課題解決」をテーマとする小規模のセミナーを千葉県市川市の「プロロジスパーク市川1」で3回にわたって開催した。物流現場の人手不足が深刻さを増しているのを受け、入居企業の対策をサポートするのが狙いで、同社としては初の試みとなった。

6月13日の第3回は、インターネットの風評被害阻止などを手掛けているエルテスの平野元希取締役が講師として登場した。平野氏は飲食店や小売店の従業員が勤務先の商品や各種設備を悪用した写真・動画をSNSに投稿、大騒ぎとなる“バイトテロ”のような事態は物流現場でも起こり得ると指摘。

従業員が無意識のうちにSNSへ情報をアップした結果、機密情報が漏えいすることも他の業界で実際に起こっているとして、パートタイマーやアルバイトを採用する際には事前に、当該職場へのスマートフォン持ち込み禁止といったルールをしっかりと説明、理解を得ておくなどの対策を普段から徹底することをアドバイスした。


エルテス・平野氏(同社提供)

過去の不祥事知らない世代が社会に

セミナーの第1回は5月31日、プロロジスと業務提携している、従業員定着支援サービスなどのテガラミルHRソリューション部の安藤信幸マネージャーが登壇。「雇用定着」のノウハウなどを説明した。

第2回は6月6日、人材支援に焦点を当て、在日ベトナム人の就業支援など手掛けるasegoniaの井上義設代表取締役が「時代にあった外国人労働者雇用のポイント」をテーマに講演した。

第3回の冒頭、平野氏は総務省の調査で日本はSNSで情報発信している人の23・2%が何らかのトラブルに遭遇したことがあると回答していることに触れ、「SNSのリスクは誰にでも起こり得るものであり、トラブルに巻き込まれていることに気づかない可能性もある」と警告。

そうした状況の背景として、文化庁の調査で、不特定多数の人が読むインターネット上のブログや掲示板への書き込みをするとしたら何に留意すべきかとの問いに「分からない」と答えた人が20・3%いたことに着目。「何の意図も持たず無意識のうちに情報発信したり、他の書き込みを拡散したりしている人が一定数いる」との見方を示した。

バイトテロの頻発に関連し、2013年ごろに外食店の従業員が厨房の冷蔵庫に入ったところを自ら写真撮影してSNSにアップするなど“炎上”する投稿が頻発していたことを回顧。そこから10年近く経過して過去の不祥事を知らない若い世代が社会に参加してくるようになっている上、SNSの種類も多様化し「不適切な行動が発信できるメディアが増加した」ことがバイトテロの続発につながっているとの見方を示した。

併せて、総務省の別の調査結果を基に、スマートフォンしか持っていない人はネットを正しく利用するための知識(ネットリテラシー)の習得度合いが低い傾向にあることも影響していると分析した。


セミナーで解説する平野氏

「職場の自席で撮影、投稿した写真に機密書類」のケースも

そうした背景の一例として、ある地方自治体の職員がオフィスの自席で撮影した写真をSNSに投稿したところ、机上にあった民間企業の機密情報に関する書類が映り込んでいて問題となったケースや、金融機関に有名芸能人が来店したことを親から聞いた子供がその事実をSNSに載せ、炎上したケースを紹介した。

具体策として、まず当該職場へのデジタル機器持ち込み禁止といったルールを整備して従業員に周知徹底するなど、不適切な行為が発生する環境をつくらないようにすることを基本の取り組みとして例示。その上で、社内ルールを周知徹底させておくのが重要との見方を示した。

その上で、具体的なバイトテロなどの事例を強調したケーススタディ形式による従業員向けのネットリテラシー研修を開いたり、管理者向けのマネジメント研修を行ったりすることを推奨した。

さらに、どのような投稿が炎上の火種となり得るかという情報を社内で共有し、定期的にSNSをチェックして問題となりそうな投稿がないかを定期的に確認するとともに、炎上した投稿を発見した場合の報道対応などを盛り込んだ危機管理マニュアルを整備、定期的に更新しておくことを呼び掛けた。

平野氏は「炎上リスクは常に存在するという前提で社内体制の構築と運用を行うことが大切。炎上しなかったからといって安心せず、リスクを放置しないのが大事」とアピールした。

荷物の種類や送り先を載せれば情報漏えい

物流業界で炎上の火種となるリスクのある投稿について、以下のようなケースを示した。

・物流施設で扱っている荷物
「噂の新製品がこんなにたくさん!」といった投稿をしてしまうと、顧客の情報漏えいとなる。投稿を契機に、窃盗犯などに狙われる危険性もある。

・送り先の情報
どこから送られてきたか、どこに送るかという情報も機密であり、知名度のある商品であるほど炎上となりやすい。

・作業内容
検品や保管といった業務には独自のノウハウが含まれており、漏えいすれば競合相手に仕事を取られてしまう恐れもある。

他にも、執務エリアで写真を撮ると取引先などの機密情報が映り込んでしまう可能性があり、そもそも作業自体が貴重なノウハウになっているケースもあるため、写真撮影は控えるようアドバイス。

「検品作業で廃棄分がもったいないから持って帰ってきた」といったように、指定された規則に従わないことをあたかも自慢するように投稿するのは批判の的にされやすく、炎上を起こす危険性が高いと警告した。



(上から)テガラミル・安藤氏、asegonia・井上氏

(藤原秀行)

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