政府が19年版防災白書で調査結果発表、ブラックアウト対策実施はわずか2%
政府は6月14日の閣議で、2019年版の防災白書を決定した。
昨年、大規模な地震や豪雨の被害に見舞われた北海道、岡山、広島、愛媛の4道県の企業を対象にアンケート調査を実施した結果、災害の直接的な被害は従業員が出勤できなくなったことを、間接的な被害は物流停止で入出荷ができなくなったことを挙げた割合が最も大きかった。販売先や仕入れ先の被災で影響を受けたケースも多く見られた。
白書はBCP(事業継続計画)に関し「自社の事業に直接被害がない場合の対応も念頭に置く必要がある」と指摘した。サプライチェーン全体を視野に入れた対策を講じる重要性があらためて浮き彫りになったと言えそうだ。
白書は併せて、大規模停電(ブラックアウト)対策についても調査。北海道、広島、岡山、愛媛、東京、大阪の6都道府県の企業のうち、自家発電や近隣企業との連携などの対策を講じていたのはわずか2%にとどまった。大規模災害が頻発する中、サプライチェーンを停滞させないためにも対応が急がれる。
半数近くが大規模停電「対応を検討したいができていない」
調査は4道県の723社が協力した。直接的な被害では(複数回答あり)、「従業員が出勤できなくなる」が221社で最多。次いで「建物被害」(136社)、「機械・設備の被害」(115社)、「自社被災で事業を部分停止」(90社)、「商品在庫の被害」(85社)などとなった。
間接的な被害では(複数回答あり)、「物流停止で入出荷できず」が172社でトップ。その後は「販売先被災で売り上げ減少」(55社)、「仕入れ先被災で自社事業が部分停止」(53社)、「観光客減少などで売り上げ減少」(49社)、「他の仕入れ先が見つからない」(15社)などと続いた。
一方、ブラックアウト対策の有無については6都道府県の576社が答えた。このうち「対応を検討したいができていない」が274社で、「自社の動向が不明」(73社)、「検討を行っている」(70社)を圧倒的に引き離した。
(藤原秀行)
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