五洋建設、洋上風力発建設に用いる大型自航式ケーブル敷設船を新造へ

五洋建設、洋上風力発建設に用いる大型自航式ケーブル敷設船を新造へ

シンガポール企業などに発注、28年度上期からの稼働見込む

海洋土木大手の五洋建設は12月10日、洋上風力発電設備の建設に用いる大型自航式ケーブル敷設船(CLV)の建造契約を12月3日付で 造船事業を展開しているシンガポールのPaxOcean Group(パックスオーシャングループ)と結んだと発表した。

洋上風力発電は、主として着床式洋上風力の整備が港湾区域で進められている。2027年度以降、一般海域で建設工事が本格化する見込み。

風車建設工事から電力ケーブル敷設工事へ事業を拡大するため、一般海域に加えて将来のEEZ(排他的経済水域)における洋上風力建設の本格化を見据え、世界最大級かつ最新鋭のCLVを建造することにした。2028年2月に完成、2028年度上期からの稼働を予定しており、建造費はトータルで約365億円を計画している。

建造するCLVは着床式に加え、浮体式洋上風力発電設備や海底直流送電の電力ケーブルの敷設工事にも利用できる。

5000t×2基(合計1万t)のカルーセル(ケーブルタンク)を搭載したCLVで、気象海象条件の厳しい外洋でも効率良く安全にケーブルを敷設できるのが特徴。

船体設計はCLVの設計実績を多く持つノルウェーのSalt(サルト)、船体建造はSEP船(風車据付船)「CP-16001」を建造したパックスオーシャングループにそれぞれ発注。併せて、英国のSMD製造最新機器を搭載する。

CLVの船体は、今後設立予定の子会社と芙蓉総合リースが50%ずつで共同保有する。CLVに搭載するトレンチャー(埋設機)などは同じく五洋建設が設立する子会社と小島組が共同保有し、小島組に運航管理業務も委託する予定。


CLVのイメージ図(プレスリリースより引用)

(藤原秀行)

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