「評価・検討する上で重要な事項の詳細不明確」と説明、質問送付
NTT系のJリート、NTT都市開発リート投資法人は2月10日、シンガポールの投資会社、3Dインベストメント・パートナーズが、NTT都市開発リートに対して投資口(企業の株式に相当)のTOB(公開買い付け)を実施していることに対し、現時点で意見の表明を留保すると発表した。
同投資法人は留保の理由について「現時点までに入手することができた情報のみでは、3Dらの不動産に関わる投資運用に対する体制、本公開買い付け後の3Dらによる本投資法人投資口の保有目的に関する将来の見通し、本公開買い付け後に3Dらが企図する本投資法人の本源的価値の顕在化と保有資産価値向上に関する具体的な施策提案の内容、本投資法人の行うスポンサーとの利害関係者取引に対する考え方、その他の本公開買い付けの是非およびその諸条件等について評価・検討する上で重要であると考えられる事項の詳細が必ずしも明確ではない」と説明。
引き続き、3D側にTOBの狙いなどの説明を求める姿勢を強調した。併せて、同日付で、3Dに対して質問を送付したことを公表。3DがTOBの狙いは「純投資」が目的で議決権を行使して経営を支配する予定や見込みはないと主張していることに対し、具体的にどの程度の将来を見込んでいるのか、といった点を尋ねている。
同投資法人は、質問への回答は金融商品取引法に基づき、5営業日以内に届く見込みと解説、その内容も踏まえてTOBへの賛否を最終判断する意向を示した。
3Dインベストメント系投資ファンドが1月28日、関東財務局に提出した公開買付届出書によると、同ファンドが1月28日から3月3日までの間、投資口1口当たり13万1890円で買い付ける。発行済み投資口数の8~13%の取得を目指しており、既に保有している投資口と合わせると最大で15%に上る見通し。
(藤原秀行)