30年代の導入拡大に備え
商船三井は2月14日、深田サルベージ建設(大阪市)と、浮体式洋上風力の曳航・係留作業船の協業検討に関する覚書を締結したと発表した。
<浮体式洋上風力発電設備と曳航・係留作業船のイメージ図>
出典:First Marine Solutions
2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、洋上風力発電の導入が進む中、遠浅の海域が小さい日本は排他的経済水域(EEZ)を含む水深が深い海域を対象とした浮体式洋上風力発電の技術開発と実用化が加速、日本のエネルギー自給率向上と環境負荷低減につなげられると期待が高まっている。
浮体式洋上風力発電設備は、港湾域内で浮体構造物と風車の組み立てを済ませた上で設置海域まで曳航する方式がメーンになる見通しで、設置海域まで曳航後、アンカーと係留索で構成される係留システムで位置を保持する。一連の曳航・係留作業には、アンカーハンドリング船などの作業船が必要。
そのため、両社は浮体式洋上風力発電設備の効率的な曳航・係留作業手順の検討を進め、2030年代に想定される日本市場での浮体式洋上風力の導入拡大に備え、各作業に適した新造船の共同保有・運航体制の構築ならびに係留システムの調達体制の構築を目指すことにした。
(藤原秀行)※いずれも商船三井提供