郵便・根岸常務執行役員、6月就任予定
日本郵政は3月28日、増田寛也社長(73)が退任し、後任に旧郵政省(現総務省)出身で傘下の日本郵便の根岸一行常務執行役員東海支社長(54)が就任する人事を発表した。
増田氏は旧建設省(現国土交通省)出身で、岩手県知事や総務相などを経て2020年1月から日本郵政社長を務めてきた。同社トップが交代するのは5年半ぶりとなる。
増田氏(日本郵政提供)
併せて、日本郵便も千田哲也社長(64)が退任し、後任に小池信也常務執行役員近畿支社長(56)が就く。
いずれも6月開催予定の定時株主総会と取締役会を経て、正式に就任する。
07年の郵政民営化以降、元郵政省官僚がグループを統括する日本郵政のトップに就くのは初めて。
日本郵政やグループの日本郵便、かんぽ生命保険などで顧客情報の不正流用や配送時の法定点呼不実施など不祥事が続発しており、政府や与党、物流業界などからは組織統治の緩みに対して批判の声が上がっている。根岸氏には法令順守意識の徹底が強く求められる。
根岸 一行氏(ねぎし・かずゆき)1994年郵政省入省、2010年かんぽ生命保険に移る。郵便局会社経営企画部担当部長などを経て17年日本郵便執行役員、19年4月常務執行役員。
(藤原秀行)