三井不動産、神奈川・海老名で物流施設など入る複合業務施設を開発へ

三井不動産、神奈川・海老名で物流施設など入る複合業務施設を開発へ

オフィスや研究施設なども、26年6月末竣工予定

三井不動産は4月22日、神奈川県海老名市で物流施設などの機能を持つ複合業務施設「三井不動産インダストリアルパーク海老名(MFIP海老名)&forest」の建設を開始したと発表した。竣工は2026年6月末の予定。

同施設は海老名市役所周辺地区に位置し、物流用途に加え、建物全体の約半分をオフィス・研究施設・ラボなどのマルチユーススペースとして開発する予定。テナント企業の柔軟な拠点創造を支援し、社会のイノベーション・付加価値の創出の場となることを理想に掲げている。

 
 

三井不動産は複数テナント型の物流用途を含む施設として、国内で初めて国産材を建物構造の一部に採用し、三井不動産グループの新たな木造建築ブランドの名称「&forest」を施設名称に冠すると説明している。木造化による木材活用を推進し、自然資源を循環させ、未来に続く持続可能な街づくりにつなげていくことを目指す。


MFIP海老名 &forest 外観イメージ

同施設は木造柱の構造材の一部や燃え代層の見えがかり部分に三井不動産グループの保有林(北海道美瑛町)から採取したトドマツ材を使用するほか、木鋼ハイブリッド梁の被覆木材や天井などの仕上げ材・内装材にも、保有林の木材を積極的に活用する。

国産材を建物構造に採用する共用部は特徴的な高い階高(6.6m)と、広い空間(10.8m×13m)にすることを想定。木造柱+木鋼ハイブリッド梁(二時間耐火)で建設する。

木鋼ハイブリッド梁は国土交通大臣認定を受けた耐火構造部材(2時間耐火)を採用。鉄骨梁の周囲に耐火被覆部材として、石こうボードと木材を取り付けた断面構成で、木材が炭化を伴いながらゆっくりと燃えることにより熱の侵入を抑制し、耐火性能を確保できるとみている。

構造様式は木鋼ハイブリッド梁フレームに対して鉛直支持力を木造柱が担う「鉄骨造一部木造」となる。

 
 

共用部のうち木造とした一部では木造構造や木質デザインを積極的に取り入れることにより、鉄骨造で建築した場合と比較してCO2排出量を約40%低減できると見込む。


木造共用部 外観イメージ


木造共用部 内観イメージ

同施設のメインエントランスは、木と植物の風合い、香りを感じられる有機的で柔らかい空間とすることを構想している。壁面にはかつて田圃だった土地の記憶を紡ぎ、「豊作」を象徴する稲穂を表現したアートを設置。欄間職人が伝統技術を活かした造形し、人と自然の調和を表現する。

3階ラウンジには、保有林の木材を内装・仕上げ材の一部に使用し、木質感を醸し出す空間を創出。利用する木材の木が生育する北海道美瑛町エリアの森林で音源を採取し、「KooNe」のハイレゾ空間音響システムを用い、森林内の音空間を再現する。物流用途施設に求められる耐火性能を確保しながら、1~4階まで木質あふれる空間にし、従業員や訪問者が安らぎと癒しを感じられるようにしたい考え。


1階北側メインエントランス(イメージ)

 
 


3階ラウンジ(イメージ)


広域図


狭域図

■物件概要
所在地:神奈川県海老名市中央5丁目2番
アクセス:圏央道「海老名IC」約2.8km
小田急線・相鉄線「海老名」駅より 徒歩9分
JR相模線「海老名」駅より 徒歩11分
敷地面積:約19,822㎡(約5,996坪)
延床面積:約40,219㎡(約12,166坪)
規模・構造:地上4階建て・鉄骨造一部木造
用途:事務所および倉庫
設計・施工:日鉄エンジニアリング株式会社
着工:2025年4月1日
竣工:2026年6月末(予定)

(藤原秀行)※いずれも三井不動産提供

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