東京商工リサーチ調査で待遇改善による人手確保が鮮明に
東京商工リサーチ(TSR)が7月2日に発表した2019年度「賃上げに関するアンケート」調査結果によると、同期に賃金の引き上げを実施した企業は80.9%で前期(82.2%)を1.3ポイント下回った。
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調査は5月9~31日にインターネットで行い7693社から有効回答を得た。このうち賃上げを実施した企業は6223社で内訳は大企業が866社、中小企業は5357社だった。
運輸業で賃上げを実施(予定)したのは250社。理由では「雇用中の従業員引き留め」が60.8%と農・林・漁・鉱業(68.4%)に次いで高かった。このほか「業績回復」19.2%、「新規採用」24.8%、「同業他社の賃金動向を鑑みて」27.6%、「地域他社の賃金動向を鑑みて」18.8%、「税制など優遇策を理由するため」2.8%、「取引先(金融機関を含む)からの評価向上のため」1.6%、「給与規定に伴う定期昇給」28.8%、「その他」4.0%となっている。
TSRは「回答数100社以上の業種では人手不足が深刻な運輸業で従業員の引き留めが6割と他の業種より突出して多かった」と指摘。また「単なる賃上げだけでは人材流出の抑止力としては一定の効果にとどまる。それ以外の新たな施策も必要」と提起している。
(鳥羽俊一)
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