日本GLP傘下のモノフルとベンチャーキャピタルの計5社が第三者割当増資引き受け
※朝流した記事の内容を一部差し替えました
インターネットを介した倉庫スペースの提供者と利用者のマッチングサービスを手掛けるスタートアップ企業のsouco(東京)が、このほど新たに取引先など5社を引き受け先として第三者割当増資を実施、事業資金として総額4億円を調達したことが分かった。複数の関係者が明らかにした。
soucoも7月3日に調達完了を正式発表した。増資の引き受け先は同社と契約している大手物流施設デベロッパーの日本GLP傘下で先端技術を使った物流施設の価値向上サービス開発に取り組むモノフル(東京)をメーンとし、朝日メディアラボベンチャーズ、SBIインベストメント、FFGベンチャービジネスパートナーズ、三菱UFJキャピタルの国内主要ベンチャーキャピタル4社も名を連ねている。同社のマッチングサービスは今年6月末で登録企業が約400に上っており、将来の成長性を評価されたようだ。
soucoは今回調達した資金で、倉庫スペースを3大都市圏でより数多く確保するための営業体制強化や、サービスの利便性向上のためのシステム開発などに充てる見通し。
同社は2016年創業。マッチングサービスを17年からベータ版として展開してきた。空いている倉庫スペースを有効活用したい倉庫事業者が同社のウェブサイトから情報を登録。一時的に利用したい荷主企業や物流事業者と仲介する仕組みだ。
「1日」や「1パレット分」といった極小の単位から倉庫の空きスペースを借りられるよう設定。賃料や利用可能な期間などを事前に明示し、基本契約書もあらかじめフォーマットを準備するなど、申し込んでから短期間で利用開始できる仕組みを確立した。
損害保険を準備して商品破損のリスクに備えるなどの配慮を施していることも歓迎され、順調に需要を獲得している。今年6月27日には倉庫スペースの条件と貸す側と借りる側の双方がより細かく登録できるようにするなどサービス内容を大幅に刷新、「正式版」として本格スタートした。現状で提供可能な倉庫スペースは15万坪を超えている。
物流施設デベロッパーの間では庫内労働力不足を受け、従来のスペース提供だけにとどまらずロボットや省力化設備導入などの面で積極的に入居企業をサポートしようとする動きが広がっている。今回増資を引き受けたモノフルとの間でも、soucoのシステムと最先端技術を組み合わせた新たなサービスの展開につながる可能性がありそうだ。
(藤原秀行)