既存営業所を移転・拡張、機能強化図る
大和物流は6月2日、鹿児島県霧島市で新たな物流拠点「鹿児島物流センター」が竣工したと発表した。
地上2階建て、延床面積は1万9074㎡。6月1日に稼働を開始した。
鹿児島物流センターの外観
九州地域は製造業・非製造業ともに設備投資が高水準で推移する一方、物流施設への投資は都市部に偏っており、特に地方では供給不足が続いていることを重視。既存の鹿児島営業所を移転・拡張し、「鹿児島物流センター」として新たに開設、荷物の保管・積み替え機能の強化に踏み切った。
南九州エリアの地域物流のハブ拠点と位置付け、在庫保管、積み替え、エリア配送、流通加工などのニーズに対応する構え。
九州自動車道の溝辺鹿児島空港ICから約950mと至近。近隣の鹿児島空港には、県内外の主要都市と結ぶ貨物ターミナルがあり、国内外への流通拠点としても高い利便性を備えていると見込む。
周辺地図
九州の大和物流事業拠点
保管する商品の特性に応じた対応ができるよう、高床式と低床式の2種類のバースを設置。このうち、高床式バースは床面が地面より高いため、大雨や洪水時の浸水リスクを軽減できるほか、地面からの湿気を防ぐことで、保管物の品質保持にも効果的と想定。電子機器や自動車部品、ヘルスケア関連商品などの保管に適しているとみている。
低床式バースはフォークリフトやクレーンで地面から直接荷物を出し入れできるため、鉄骨、建材、機械などの重量物の取り扱いに優位性があると見込む。
併せて、荷物用エレベーター3基と垂直搬送機2基の縦搬送設備を備え、荷物の大小関係なく1・2階に荷物を配置できるようにしている。
平面図
霧島市との立地協定に基づき、新たに従業員を雇用し、地域社会の活性化に貢献。今後も取り扱い貨物量の増加に応じて増員を予定している。
施設概要
名称 | 大和物流株式会社「鹿児島物流センター」 |
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所在地 | 鹿児島県霧島市溝辺町麓321-10 |
敷地面積 | 18,972.31㎡(5,739.12坪) |
延床面積 | 19,074.00㎡(5,769.89坪) |
構造 | 鉄骨造 地上2階建て |
バース形状 | 西面:高床式/北面:低床式 |
床荷重 | 1階:2.0t/㎡、2階:1.5t/㎡ |
搬送設備 | 荷物用エレベーター 4.6t:1基、3.6t:2基 垂直搬送機 1.8t:1基、1.5t:1基 ドックレベラー:1基 |
環境設備 | 太陽光発電設備 (パネル容量:139.68kW パワーコンディショナー:111.1kW) ※すべて自家消費 年間約25tのCO₂を削減 |
アクセス | 九州自動車道「溝辺鹿児島空港インターチェンジ」から約950m |
開設 | 2025年6月1日 |
施主 | 大和物流株式会社 |
設計・施工 | 大和ハウス工業株式会社 |
運営 | 大和物流株式会社 |
倉庫1階
トラックバース。高床式(右)と低床式が並ぶ(いずれも大和物流提供)
(藤原秀行)