プロロジス・山田氏、都市型物流施設「アーバン」シリーズ竣工で利用層のすそ野拡大に強い期待感表明

プロロジス・山田氏、都市型物流施設「アーバン」シリーズ竣工で利用層のすそ野拡大に強い期待感表明

まず関東を優先

プロロジスの山田御酒会長兼CEO(最高経営責任者)は3月9日、東京都足立区入谷で完成した物流施設「プロロジスアーバン足立2」の竣工記念式典であいさつした。

この中で、アーバンシリーズに関し「都市型の小型・中型の物流拠点という位置付けだが、必ずしも物流だけに特化する必要もなく、マルチユースということでいろんな使い方をされればいい」と説明。ショールームやコールセンターといった機能にも向いていると強調した。

従来の大規模なマルチテナント型物流施設とは異なる利用形態になるとの見解を説明し、物流施設を利用する層の裾野拡大に強い期待感を示した。


式典であいさつする山田氏

山田氏はその後、メディアの取材に答え、アーバンシリーズの今後の展望について「まずは東京23区。ここはとんでもなく大きなマーケットであり、このくらいのサイズの建物を作ってもすぐ需要があるということは、マーケティングをやって来てわれわれも十分手応えを感じている」と説明。

「オフィスビルとは作りが違うので建設コストも安い。土地代が高いぶん、なるべく容積を使い切る工夫をしている。通常の物流施設の単価よりは大分高めだが、価値を見出していただいている」と自信を示した。

今後のアーバンシリーズの開発候補地として、東京以外の大阪などの都市部で計画しているかどうかを問われたのに対しては「もちろんチャンスがあれば関西でも九州でも、とは思うが、われわれはまだそこまでマーケティングができていない。本当に強いニーズがあるかどうかを調査してから決めたい。今のところはこれといった計画があるわけではない」と明かし、現状では東京エリアを優先していく姿勢を強調した。

物流施設での再生可能エネルギー由来電力の活用について「郊外の施設は屋根で太陽光発電をしており、従来は売電していた。この間竣工した兵庫県猪名川町の物件からは売電ではなく自家消費し、余った分は自己託送することを始めた。今後竣工していく大型の物流施設についてはそうしたコンセプトでやっていきたい」と意欲を見せた。


鏡開きに臨む(左から)フクダ・アンド・パートナーズ・福田哲也社長、巴コーポレーション・深沢隆社長、プロロジス・山田会長兼CEO、ザイマックス・山本晃専務執行役員

(川本真希、藤原秀行)

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