物流連・長澤新会長、一層の認知度向上や社会インフラとしての機能強化などに意欲

物流連・長澤新会長、一層の認知度向上や社会インフラとしての機能強化などに意欲

就任後初会見、人手不足受け外国人労働者の議論も訴え

日本物流団体連合会(物流連)の新会長に同日付で就任した長澤仁志日本郵船会長は6月30日、東京都内で開催した定時総会の後に記者会見し、今後の抱負などを語った。

長澤会長は重点的に取り組むべき課題として、物流の一層の認知度向上、社会インフラとしての物流機能強化、物流の環境負荷低減と持続可能性の向上、物流事業者の海外展開支援の4点を列挙。

 
 

「海運で長らく仕事をして、かねてよりこれほど大切な社会のインフラを担っているにも関わらず、国民の皆様の物流への認知度は低いと感じていた。本当にこの重要性を分かっていただかないと、国の政策に反映できないのではないか。具体的なアイデアは皆さんと相談しながら、認知度を高める機会になればと思っている」と述べた。

また、「国内外の物流の重要性についての認識は相当程度、進んできていると感じているが、物流の担い手不足の問題は引き続き大きな課題。若い世代に向けて物流業の魅力、やりがいを発信する努力を続けていきたい」と意欲を示した。


会見に臨んだ長澤新会長

政府が今後5年間の物流政策の指針となる新たな「物流施策大綱」の策定に向け、官民で議論を本格化させていることについては「物流連が果たす役割も非常に大きなものがあると思う。今後議論をして、しかるべく当局に対して意見を申し上げることになると思うので、これから物流連が何を言うのか注目していただきたい」と語り、物流連内部で議論を重ねた上で積極的に発言していきたいとの思いを示した。

人手不足の深刻化については「日本経済で少子高齢化が進む中で、物流業界もその波は避けられない。物流に目を向けていない皆さんから目を向けてもらうことが重要だ。併せて、外国人労働者をどう考えるかという話は間違いなく出てくる。研究する余地があるのではないか。(自動化機器採用による)業務務効率化にも限界がある中では外国人労働者をうまく使っていくことが大事だと思う」と述べ、物流領域での外国人労働者受け入れ促進へ議論を継続する必要性を訴えた。

会長の任期を全うした真貝康一副会長(JR貨物会長)は、2年間の経験を踏まえ「日本経済が復活していくためには海外との物流、国内の物流をトータルで考えて、国際競争力を高めるという視点が非常に大事だ。モーダル間の結節強化などを進めていきたい」と語った。

 
 

(佐久間修志、藤原秀行)

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