大型トラック着車場や共用荷さばきスペース確保、ショールームなどの用途も可能に
プロロジスは7月3日、JR・東京メトロの錦糸町駅に近い東京都江東区毛利で竣工した都市型物流施設「プロロジスアーバン東京錦糸町1」をメディアなどに公開した。関東を地盤とする佐志田倉庫(東京都千代田区神田須田町)と初めて共同で開発した。
「アーバン」シリーズは高速道路IC近隣などに開発する一般的なマルチテナント型物流施設とは異なり、都心エリアにコンパクトサイズの施設を開発し、ラストワンマイル配送拠点のほか、ショールームやオフィスなどさまざまな機能を確保できるようにしているのが特徴。
「東京錦糸町1」は2020年に提供を始めたアーバンシリーズとしては7棟目となる。今回の物件と同じく東京都江東区内で第8弾の開発も計画しているという。
施設全景(プロロジス提供)
「東京錦糸町1」は地上5階建て、延床面積は6470㎡。佐志田倉庫が構えていた倉庫の跡地に再開発した。物流施設とオフィスの機能を兼ね備えている。
1階はラストワンマイル配送拠点としての利用を念頭に置き、コンパクトながら車両が出入りできる専用区画と、上階に入居する企業のための大型トラックの着車場、共用荷さばきスペースをそれぞれ設けている。
1階は大型トラックも通行できる
荷物用エレベーターはセキュリティーカードで行き先階のみ移動できるようにしており、安全確保に万全を期す
天井高3.5mとコンパクトなサイズ(写真は4階倉庫部分)
2~5階は、1フロア1社の専用利用を想定したフロア構成で、空調設備を実装し、床荷重1t/㎡を確保。大容量の電力が使用可能で、重量物などの設置にも対応している。R&D拠点、サービスパーツ保管、ショールームなど従来のオフィスビルでは実現できない使途も設定可能なスペースとして設計している。
施設の外観
窓からは隣接する猿江恩賜公園などを望むことができる
4階のルーフバルコニー
JR総武線の錦糸町駅から約600m(徒歩約8分)、東京メトロ半蔵門線・都営新宿線の住吉駅から約450m(徒歩約6分)。通勤利便性が高く、周辺には多くのオフィスが隣接する。首都高速道路7号小松川線の錦糸町出入口から約400m(自動車約2分)で、プロロジスは都心部へのラストワンマイル配送に加え、都内全域への広域配送にも適しているとみている。
現時点で1階は国際宅配便事業を展開しているスコア・ジャパン(東京都江東区亀戸)、3階は設備機器製造企業が入居することが決まっている。
BCPや災害対応として、各階の外壁にマシンハッチ(大型機械・設備の搬出入用開口部)を設置。荷物用エレベーターを動かせなくなっても外部から復旧活動を始めやすくしている。1階の電動シャッターに非常用発電機接続盤を備え、停電時に開閉が必要となった場合、発電機をつないでシャッターを動かせるよう配慮している。
プロロジスが現地で開催した竣工記念式典であいさつした同社の山田御酒会長兼CEO(最高経営責任者)は「プロロジスアーバンシリーズでは最も理想的な立地」と語り、今後も多様な用途に対応可能なアーバンシリーズを継続して供給していきたいとの考えを示した。
あいさつする山田氏
(プロロジス提供)
名称:プロロジスアーバン東京錦糸町1
開発地:東京都江東区毛利二丁目9-20
敷地面積:2,247.51㎡(679.87坪)
延床面積:6,470.32㎡(約1,957.27坪)
構造:地上5階/S造
着工:2024年4月
竣工:2025年7月
(藤原秀行)