航路の具体化や社会受容性向上など図る
「空飛ぶクルマ」の開発やドローン関連サービスの運営を手掛けるSkyDriveは7月4日、三菱UFJ銀行をリード投資役の1社とし、スズキ、JR東日本、JR九州など11社を引き受け先とする第三者割当増資を実施、プレシリーズDラウンドで総額83億円の資金を調達したと発表した。
累計の調達額は340億円を超えた。
新規引受先:JR九州、JR東日本、ユニバンス
既存引受先:伊藤忠テクノロジーベンチャーズ、大林組、関西電力、スズキ、SuMi TRUSTイノベーション投資事業有限責任組合、豊田鉃工、日本発条、三菱UFJ銀行
SkyDriveは今年2月、空飛ぶクルマ固有の耐空性および環境基準の詳細を記載した型式証明の適用基準を国土交通省航空局が発行するなど、空飛ぶクルマの実用化に向けた取り組みを続けており、現在は今後の試験の内容や実施時期などを含む証明計画の策定を進めている。
航空局と証明計画で合意した後、その計画に沿ってさらに地上試験や飛行試験を重ねていく予定。今回の資金調達を通して、開発チームの増強、各種試験のインフラや環境整備、組織基盤の強化などを進め、開発・証明活動を加速させていくことを想定している。
大阪メトロ(大阪市高速電気軌道)、近鉄グループホールディングスに続き、本資金調達ラウンドでJR東とJR九州が加わり、合計4社の鉄道会社と資本・業務提携契約を締結した。
各社の持つ既存の交通ネットワークに次世代モビリティの「空飛ぶクルマ」を加えることで、陸と空をシームレスにつなぐ新たな移動価値の提供を目指している。SkyDriveは引き続き、航路の具体化やバーティポート整備、社会受容性の向上などを図っていく構え。
2025年2月にJR東日本とSkyDriveが発表した岩手県での運航エリアイメージ)
25年2月にJR九州とSkyDriveが発表した大分県内の「空飛ぶクルマ」運航イメージ
(藤原秀行)※いずれもSkyDrive提供