デカルト調査で韓国や台湾も前年割れ、「トランプ関税」影響広がる
米調査機関デカルト・データマインが7月14日公表した海上コンテナ輸送量実績調査結果によると、6月のアジア主要10カ国・地域発米国向け(往航)輸送量は前年同期比8.5%減の154万998TEU(20フィートコンテナ換算)だった。
23年9月から20カ月連続で前年実績を上回ってきたが、5月は1年9カ月ぶりに減少(9.9%減)へ転じていた。そこから減少幅自体はやや縮小したものの、2カ月続けて前年割れとなった。
6月は全世界ベースで見ても、3.7%減の223万517TEUにとどまった。
米国でトランプ大統領が中国などからの輸入品を対象に関税を引き上げる動きを強めており、世界の貿易に影響が出ていることが示された。
10カ国・地域のうち、取扱量が全体の約5割を占めて断トツでトップの中国は24.1%減の73万3418TEUとなり、2カ月続けて2割の落ち込みを記録。全体の貿易量を大きく押し下げた。前月の5月からはやや持ち直し4.2%増えた。
2位のベトナムは前年同月比57.5%増の24万5985TEUと大きく伸びた半面、3位の韓国は11.4%減の18万1758TEU、4位の台湾は13.4%減の7万3640TEUにとどまるなど、5カ国・地域が前年水準を下回った。国・地域によってトランプ関税の影響の度合いが異なっていることをうかがわせた。
世界発米国向けコンテナを原産国ベースで見た場合でも、中国は前年同月比28.7%減とブレーキがかかっている。前月比では0.4%とわずかながら増えており、今後の動向が注目される。
品目別では上位10品目のうち7品目がマイナスになった。家具類は12.4%減、プラスチックは5.3%減、機械類は15.2%減などを記録した。
一方、米国発アジア10カ国・地域向けの5月のコンテナ輸送量は、かつてトップを維持してきた中国向けは前年同月比58.3%減の4万6137TEUと低迷、全体で6位に急落した。トップはインドで28.2%増の7万330TEU、全体では5.4%増の48万3929TEUだった。
(藤原秀行)