特別調査委が報告書、借金返済へ架空債権設定し現金化と指摘
ACSLは7月14日、鷲谷聡之前CEO(最高経営責任者)が在任中に不適切な取引を行っていた件に関し、特別調査委員会から報告書を受け取ったと発表した。
報告書によると、鷲谷氏の不適切取引による同社への直接の金銭的な影響は1億5180万円に上った。
「過年度の業績に影響を及ぼす事実は確認されておらず、過年度の有価証券報告書、四半期報告書や2025年12月期第1四半期決算短信に影響はない」という。25年12月期決算への影響の有無は判明次第、開示すると説明している。
報告書によれば、鷲谷氏は自己の借金を返済する目的でACSLの資金を私的に利用しようとしたと指摘。鷲谷氏が立ち上げた法人がACSL相手に架空の債権を設定し、知り合った企業に売掛債権を買い取る「ファクタリング」を実施してもらい、資金を得る手口を複数回行っていたという。
ACSLは鷲谷氏の行為について「個人的事情を背景として自己の債務返済に充当すべく、社内の関係者に対して虚偽の説明を行った上、実体のない契約書を多数作成・締結し、当社資金を不正に流出していたことが認められた」と非難。刑事告訴を含めて法的措置の準備を進めると強調している。
(藤原秀行)