複雑・属人的な作業を見直し、精度と効率向上並立図る
日本郵船、MTI、グリッドの3社は9月22日、自動車専用船の配船計画をAIで自動化・最適化するシステムを共同開発したと発表した。今年7月に日本郵船が本格的に運用を始めた。
日本郵船運航の自動車専用船「DAISY LEADER」（プレスリリースより引用）
日本郵船は世界最大規模の100隻超の自動車専用船を運航している。これまで輸送配船計画業務は、数カ月先までの数百航海に対し、多様な条件を総合的に考慮する必要があり、極めて複雑かつ属人的なものになっていた。
そのため、3社が組み、配船業務に関わる情報や判断要素を整理・構造化し、計画立案の精度と効率を高める仕組みの構築に着手した。
新システムはAIを駆使して数カ月先までの最大数百万通りの配船を10分程度で試算、最適な計画を迅速に作成する。配船候補の中から、顧客ニーズ、船隊の稼働状況や修繕予定、港での滞船リスクといった条件を考慮し、船舶稼働率、輸送効率、輸送コストといったKPI（重要業績評価指標）の最適化を図る。
さらに、次世代燃料船の有効活用やカーボンプライス（温室効果ガス排出量取引）などの要素も加味し、温室効果ガス排出量の削減にもつなげる。
（藤原秀行）
