10倍の費用対効果で燃費改善、海運業界の脱炭素化を推進
日本郵船は9月29日、ロボティクスによる船体クリーニングを手掛けるシンガポールのNeptune Robotics(ネプチューン・ロボティクス)と、日本郵船の船隊全体の燃料効率向上および国際海運の脱炭素化推進に向け、協業パートナーシップを拡大する覚書を締結したと発表した。
Neptuneのロボットシステムは、満載喫水状態のケープサイズ船を24時間以内に清掃することが可能。最大4ノットの潮流下でも昼夜を問わず、透明・濁水域のいずれでも稼働できるという。シンガポールと中国の計61港に展開し、世界の主要貿易ルートの約70%をカバーしている。
両社は2022年に協業を開始。ロボットを使った船体クリーニングを実施してきた。クリーニングによる燃費改善が約10倍の費用対効果となることを確認しており、燃料消費量と付随する温室効果ガス排出量の大幅な削減につながっているという。
今後、日本郵船はNeptuneのロボティクスクリーニングの導入をさらに拡大し、燃料消費量の削減と脱炭素化の加速を目指す。
日本郵船は覚書締結に先立ち、Neptuneが実施した5200万米ドル(約78億円)の資金調達ラウンドにも参加、Neptuneのグローバル展開を支援している。具体的な出資額は開示していない。
Neptune、NYKのチームメンバー
Neptuneの製品
(藤原秀行)※いずれもプレスリリースより引用