業界のイメージ向上狙い、販売事業の展開視野に
日本郵船は9月30日、東レ発のベンチャーで先端技術を取り入れた衣服の開発を手掛けるMOONRAKERS TECHNOLOGIES(ムーンレイカーズ・テクノロジーズ)と連携し、物流現場の作業員の快適性を維持できるユニフォームを共同で開発すると発表した。
日本郵船の運航船や日本郵船グループ唯一の造船所の京浜ドックをはじめとする物流現場で、MOONRAKERS製ウェアのトライアルを実施し、現場の声を収集。そのデータを反映したユニフォームを作成し、船員の労働環境に合わせたインナーの開発・販売や、一般消費者向け販売を目指す。
MOONRAKERSの西田誠代表取締役(右から2人目)と日本郵船のプロジェクト「感動物流」メンバー
これまで船上や造船所で使用するユニフォームは、特殊な作業環境に特化して開発したものではなく、汎用的なものを使うのが一般的だった。
日本郵船はMOONRAKERSが活用している、JAXA(国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構)と東レが共同開発した、極限環境の宇宙空間(長期閉鎖空間の国際宇宙ステーション)でも快適性を提供する高レベル機能を搭載した「MOON-TECH(ムーンテック)」に着目。長期間の船上生活でも快適性、利便性を提供するユニフォーム製作に取り組むことで、船員や造船所などで働く社員のウェルビーイングの向上と物流業界に対するイメージの改善につなげることを目指す。
日本郵船では今回のMOONRAKERSとの共同開発および実証試験に加え、多摩美術大学との産学共同研究など、幅広いコラボレーションを通して活動を大きく展開していくことを念頭に置いている。
これまでに日本郵船グループが運航するLNG(液化天然ガス)船と自動車専用船の船員および船舶管理会社の監督に対し、MOONRAKERSが開発した最新の機能ウェアのトライアルを実施。船上という労働環境で求められる真のニーズを発掘すべく、着心地や快適性に関する船員からのフィードバックを基に独自の製品開発を進める。
トライアルの様子
MOONRAKERSのTシャツを着た京浜ドック社員一同
(藤原秀行)※いずれもプレスリリースより引用