企業に参加呼び掛け、BCPルートの確立支援狙い
国土交通省は日本企業の国際物流の多元化・強靭化を後押しするため、今年11月中~下旬に、日本から中国や中央アジアを経由して欧州までをつなぐ新たな陸上・複合一貫輸送経路「中央回廊ルート」について、国内事業者向けの現地視察ツアーを開催する。
視察する中央回廊ルートは、中国の鄭州、西安からカスピ海東岸のカザフスタン・アクタウまで鉄道で輸送し、対岸のアゼルバイジャン・バクーまで船舶で運んだ後、黒海東岸のジョージアのポティまで再度、鉄道輸送する、計4カ国を経由するルートとなっている。
国際物流をめぐっては近年、新型コロナウイルス禍や、ロシアのウクライナ侵略などの地政学リスクに伴うサプライチェーンの混乱が頻発する中、安定的なサプライチェーンの確保に向け、荷主や物流事業者にとっては従来の輸送手段やルートを代替・保管する、新たなBCPルートの確立が急務となっている。
国交省はそうした事情を踏まえ、2023年から、BCPの一環として中央回廊ルートの調査を進め、24年度は同ルートを実際に運用した際の課題点抽出などを目的に、公募企業による実証事業を実施。周辺で武装勢力による航行船舶への攻撃が続発しているスエズ運河を避けるなど考慮を重ねている。
10月9日に開催した公募企業による情報共有の会合では、同ルートを「BCPルートの選択肢」として評価する意見があった一方、冬季にはカスピ海の荒天による貨物の長期滞留や、ルートが重なるタイ向け輸送で荷役作業の品質が懸念されるようなケースがあることも明らかにされており、課題が浮き彫りになった。
同ルートを活用した国際輸送を検討する企業からは、現地情報の少なさが指摘されており、国交省国際物流室はツアーを開催することで「各企業の抱える懸念事項について、実際に確認する機会を得られるほか、現地の運輸当局や運送事業者との関係構築につなげられる」と意義を強調している。
(佐久間修志)



