3000万点超のピッキング作業で歩行距離と取り違え件数の大幅削減見込む
ギークプラスは10月20日、ミスミグループ本社の東日本流通センター(川崎市)に、AGV(無人搬送ロボット)が製品を補完している棚を持ち上げて作業すタフのところまで搬送する最新の「Goods-to-Person」(GTP)ソリューション「PopPick」を提供したと発表した。
AGV76台と8基のピッキングステーション(作業スペース)、490台の保管棚を拡張して導入することを決定した。取り扱い商品数が3000万点を超えるピッキング作業で、従事しているスタッフの歩行距離や取り違え件数を大幅に減らせると見込む。
両社間で実施したPoC(概念実証)の検証効果を踏まえ、拡張導入を決定した。
(ギークプラス提供)
同社は物流効率化に向け、国内3拠点の倉庫自動化を推進する新たな専門部署を設立。自動化システムの内製化や他社製品の導入検討を進めている。
その一環として、多品種におよぶ微細な精密部品における倉庫内ピッキング作業の効率化のため、商品それぞれの特性に応じて画像または計量で自動認識を行う「デジタルピッキングカート」を自社開発・導入し、生産性とサービス品質を大幅に向上させている。同時に、ピッキング作業における「ものを取りに行く」という歩行負担の課題解決に向けた検討も進めていた。
複数の自動化ロボティクス企業との比較検討を通じて、ギークプラスの「PopPick」のPoC実施に至った。
現在、「PopPick」で搬送した商品を「デジタルピッキングカート」で識別する作業には、スタッフの手作業による対応が必要な中、今後は両ソリューションの連携を強化することによる効率向上を目指す。さらに、前後工程を含めた倉庫内の自動化範囲を継続的に拡張していくことを想定している。
(藤原秀行)