東京~大阪間で計4回、走行リードタイムなど確認
王子グループの王子物流とT2の両社は10月23日、印刷用の巻取紙を自動運転トラックで幹線輸送する実証を、関東~関西の高速道路一部区間で同日始めたと発表した。
王子物流は王子グループの各工場から全国の消費地向けにトラックで中長距離輸送を展開しており、「物流2024年問題」などを背景にしたドライバー不足による輸送力低下への対応が急務だった。そこでT2と組み、自動運転トラックの活用を目指すことにした。
T2は2027年から開始を目指す「レベル4」自動運転(特定条件下での完全無人運転)による幹線輸送サービスの前段階として、今年7月に「レベル2」自動運転(有事に備えてドライバーが同乗し、トラブルがあればすぐに交替できるよう待機する)トラックによる商用運行をスタートした。
今回もレベル2自動運転で、王子物流が取り扱う巻取紙を輸送する。巻取紙の中には1本当たり1トン以上に及ぶ重量物もあるため、安全性・オペレーション面で持続可能な物流体制を構築していけるかどうかを見極めたい考え。
実証で輸送する巻取紙
実証概要
時期:2025年10月23日から開始し、計4回実施予定
場所:王子物流 有明倉庫(東京都)⇔ 王子物流 安治川倉庫(大阪府)を結ぶ高速道路上の一部区間
役割:王子物流 ー 積載貨物の提供/T2 ー 全体マネジメント、実験用車両の提供
積載:巻取紙
検証内容(全ての実証はドライバーが乗車し、レベル2相当で実施):
・貨物を積載した幹線輸送における自動運転の走行ルートおよび走行リードタイム検証
・想定したオペレーションパターンの有効性検証
(藤原秀行)※いずれも両社提供