顧客に個別で連絡、コピー用紙など37アイテム
アスクルは10月29日、サイバー攻撃を受けてシステム障害が発生し、ECの出荷がストップした件について、一部商品で同日、出荷のトライアル運用を始めたと発表した。
WMS(倉庫管理システム)を使わず、手作業で出荷する。対象はコピー用紙やペーパータオル、トイレットペーパー、ごみ袋など37アイテムで、「新木場物流センター」(東京都江東区新木場)と「ASKUL大阪DC」(大阪市)の2拠点から出荷している。
運用開始当初は、医療機関や介護施設を含む一部のユーザーからのみ注文を受け付けている。状況を踏まえ、出荷の受け付け可能なユーザーや商品を順次増やしていきたい考え。
同社は現時点でWMSの復旧スケジュールは確定していないと説明。WMSを使用して運営している子会社のASKUL LOGISTの3PL事業で顧客となっている良品計画などの出荷業務についてはトライアル運用の対象外になっている。
トライアル注文は全て「箱」単位(ケース品)で受け付けており、ファクスを使って注文する必要がある。利用可能な法人などの顧客にはアスクルから個別に連絡しているという。
また、アスクルはランサムウェア(身代金要求型ウイルス)攻撃の詳細に関しては情報開示を差し控えさせると説明。システムの詳細なログ解析、異常に関する監視、原因・障害対象範囲の詳細調査を継続しており、現時点では個人情報などの流出は確認されていないという。
アスクルの吉岡晃社長CEO(最高経営責任者)は「限定的な対応ではありますが、今回の出荷トライアル開始は復旧に向けた小さくも重要な一歩と位置付けております。安全性を確認しながら、全社一丸となり、一日も早い完全復旧にむけ全力で取り組んでまいります」とのコメントを発表、謝罪した。
(藤原秀行)







