パレット使用を年間9万枚削減見込む
キリンビールとキリングループロジスティクス（KGL）、NTTデータの3社は12月16日、対象商品のパレットへの最適な積み付け方の指示、人員の割り当てを行う新たなピッキングシステムを構築し、今年7月にキリンビールの国内全9工場で稼働を始めたと発表した。
新システムは使用パレット枚数を減らすことにより、トラックドライバーの荷待ち待機時間および配送時・パレット生産時の燃料やCO2の削減を目的に導入。年間のパレット使用枚数が約9万枚削減できる見込み。「物流2024年問題」への対応を強化している。
商品の少量多品種化によりピッキング品が増えることで、トラックに積むパレット枚数やトラックに積み付ける際の荷合わせ作業が増え、結果的にトラックドライバーが荷待ち待機をする時間が増加していることが課題となっていた。パレットへの積み付けを最適化することで、荷合わせ作業時間を減らしトラックドライバーの荷待ち待機時間の削減につなげることを目指してシステム開発にこぎ付けた。
最適な商品組み合わせで積み付けを指示するため、ピッキングシステムとWMSを連携し、独自のロジックを確立。さまざまな商品サイズの組み合わせでも、効率的なパレット積み替えが可能になったという。
併せて、作業難易度と作業員の熟練度に応じた自動指示機能を導入し、作業内容に適した人員の割り当てやロボットへの指示ができるようになった。
主な業務フローのイメージ図
新ピッキングシステムによる改善箇所（いずれも3社提供）
新システムの導入を含むさまざまな取り組みにより、2025年7～9月で合計約1万時間の削減効果が出ている。
（藤原秀行）
