首脳会合で「東京宣言」、安定的な資源確保とサプライチェーン強靭化図る
高市早苗首相は12月20日、東京都内でカザフスタン、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタンの中央アジア5カ国の大統領と首脳会合を開いた。
日本が持つ先進的技術・知見を異化して5カ国の産業高度化・多角化を図る方針で一致。重要鉱物の安定供給、ロシアを経由しない新たな輸送路の整備など合意事項をまとめた「東京宣言」を公表した。
日本と中央アジア5カ国は2024年、双方が対話する枠組みを創設しており、今回が初の首脳会合となった。トカエフ・カザフスタン大統領、ジャパロフ・キルギス大統領、ラフモン・タジキスタン大統領、ベルディムハメドフ・トルクメニスタン大統領、ミルジヨーエフ・ウズベキスタン大統領がそれぞれ参加した。

会合に際して中央アジア5カ国首脳と撮影に応じる高市首相(内閣広報室撮影、外務省ウェブサイトより引用)
首脳会合では気候変動対策と脱炭素化、コネクティビティ(輸送路整備)、人材育成を重点協力分野と設定することを確認した。
今回の5カ国はいずれもロシアと歴史的に結びつきが深く、近年は中国とも貿易を増やしている。日本から働き掛けを強め、安定的な資源の確保、国際的なサプライチェーンの強靭化につなげていくことを目指す。
東京宣言は「法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を維持・強化するためのパートナーとして相互協力の重要性」を強調。
「全ての国の独立、主権および領土保全の尊重、武力による威嚇または武力の行使の禁止を含む国連憲章の目的および原則を堅持し、人間の尊厳を保護・強化することの重要性を確認した」と説明。名指しは避けつつもウクライナ侵略を続けるロシアを暗にけん制した。
中央アジアからロシアを通らずに欧州までを結ぶ輸送路「カスピ海ルート」の整備を日本が支援していくことを打ち出している。
(藤原秀行)









