【動画】アスクル・吉岡新社長、ヤフーと関係最適化へ早急に協議開始の意向

【動画】アスクル・吉岡新社長、ヤフーと関係最適化へ早急に協議開始の意向

就任会見で表明、株式売り渡し請求は「今も権利放棄していない」と強調

アスクルは8月2日、定時株主総会で岩田彰一郎社長らの再任が資本・業務提携しているヤフーと、第2位株主のプラスの反対で否決されたのを受けて取締役会を開き、新たな社長兼CEO(最高経営責任者)に吉岡晃取締役COO(最高執行責任者)を選出した。

吉田仁取締役がBtoBカンパニーの、木村美代子取締役がBtoCカンパニーのそれぞれCOOを務める。ヤフー出身の輿水宏哲取締役、社外取締役の今泉公二氏(プラス社長)と小澤隆生氏(ヤフー取締役常務執行役員)は続投となった。

独立社外取締役は3人とも再任を否決されて不在となったため、アスクルは早急に候補を固め、臨時株主総会で信任を得たい考え。

吉岡新社長は同日夜、東京都内で記者会見し、ヤフーとの関係について、資本提携解消の意向は変わっていないと説明した上で「両社にとって最適な関係の在り方について話し合いを速やかに開始したいと考えている。今協議を申し入れている。拙速には方針を決めない」と強調。関係正常化へ模索を続ける姿勢を見せた。


就任後記者会見で抱負を語る吉岡新社長

記者会見に臨む(左から)吉田取締役、吉岡社長、木村取締役

同時に、ヤフーとの提携契約に含まれている、著しい契約違反があった場合にはヤフーにアスクル株式の売り渡しを請求できる権利について「今も放棄していない。あらゆるオプションを将来に向けて考えながら進んでいく」と明言した。

また、ヤフーとの提携関係に関し「事業面でウイン―ウインの関係が残るのであれば温存してもいいのではないか。資本提携と業務提携は別との考え方もあるのではないか」と述べ、資本提携は解消しても業務面で連携は続ける可能性を示唆した。

吉岡 晃氏(よしおか・あきら)1992年青学大理工卒、西洋環境開発入社。2001年アスクル入社、11年執行役員、12年取締役。千葉県出身。51歳。

(藤原秀行)

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