ワンストップで安全・省人化、温室効果ガス排出削減も
日本通運は2月3日、都市部の建設需要に対応するため、建設資材の共同配送と建設現場内の搬入・間配り支援を組み合わせた新たなサービス「建設ロジスティクス」を開始すると発表した。


都市部の高層ビルなどの建設現場は、各メーカーが個別に資材を納入するため運搬効率が悪く、車両の集中・待機が常態化し、周辺道路の交通渋滞やCO2排出量の増加が課題となっていた。人手不足が深刻化する中、荷受け・仕分け・運搬といった付帯作業が現場で滞留し、職人が本来の専門作業に集中できず、生産性を低下させる要因となっていた。
多くの課題を解決するため、日通は倉庫・輸送・オフィス移転で培ったノウハウを活かし、物流から建設現場の最適化を支援する新たなスキームを構築した。
具体的には、都市近郊に配置した門前倉庫に各メーカーの資材を集約し、WMS(倉庫管理システム)で在庫と入出庫を一括管理。建設工程に合わせて必要な資材を複数メーカー分まとめてジャストインタイムで共同配送する。
現場到着後は、日通がエレベーター(EV)運用会社と連携し、EV積み込み、各フロアでの横持ち(間配り)までを一貫して実施。さらに、復路は往路で使用したロールボックスを端材回収容器「NRBOX」として活用し、建材メーカーなどが環境大臣の認定を受けて自社製品が廃棄物となったもの(製品端材など)を広域的に回収し、製品原料などにリサイクル・適正処理する「広域認定制度」で再資源化する。


複数メーカーの資材を倉庫内でフロアごとに仕分け後、積み合わせて一括納品。車両台数と到着時間のばらつきを抑え、朝の搬入ラッシュや待機を軽減できると見込む。
建設現場における作業効率を最大50%改善できると想定。納品車両の待機時間解消、CO2排出量を最大40%削減といった効果も見込む。
まず、建設需要のピークが見込まれる東京都心と大阪府下で、日通所有の倉庫を活用し、ゼネコン数社と取り組みを開始。今後、順次取り扱い拠点を拡大する考え。
併せて、共同配送でCO2排出量を削減するプロジェクトを、実際に温室効果ガスの排出量を削減した分をクレジット(環境価値)として国が認証、取引できるようにする「J-クレジット制度」に登録する。日通は運営管理者として、登録・申請・検証・発行に至るまでのプロセスを一括支援し、売却した収益を参加企業のニーズに合わせて還元する体制の整備を目指す。
複数の建設会社・専門工事会社・サプライヤーが参加する共同配送へ拡大し、都市建設に共通する「建設物流プラットフォーム」の構築を推進するとともに、建設業界全体で2050年のカーボンニュートラルの実現を加速させたい考え。
(藤原秀行)※いずれも日通提供











