鈴与商事が日本農業と資本・業務提携、青森でりんご生産開始へ

鈴与商事が日本農業と資本・業務提携、青森でりんご生産開始へ

「高密植栽培」で収穫量増大目指す

農産物の生産・加工などを手掛ける日本農業(東京都品川区西五反田)と鈴与商事は2月5日、果樹生産事業の拡大に向け、資本・業務提携したと発表した。出資の比率や金額などの具体的な内容は開示していない。

提携に伴い、鈴与商事子会社のベルファーム(静岡県菊川市)が今年4月、青森市内で高密植栽培を採用したりんご生産を開始する。鈴与商事はアグリビジネスの領域に進出する。



鈴与商事の伊藤正彦社長が日本農業の社外取締役に就任した。

高密植栽培は世界的に主流となってきている収益性、効率化を求める栽培方法。日本で広く採用される栽培方法(丸葉栽培)に比べ3倍の収穫量が見込まれる。個々の樹を細く仕立て面積当たりの定植本数を増やすとともに、樹を一直線に並べて植えること(整列樹形)で、機械化・省力化に適している。

農林水産省の試算では、2030年には20年と比べて果樹の耕作面積と農業者は半減すると予測されており、青森県でもりんごの栽培面積は23年から24年の1年間で400ha(2.1%)縮小するなど減少傾向が続いている。

鈴与商事はベルファームがトマトやアスパラガスを生産してきた。温暖化による栽培環境の変化や地域の就農人口減少といった社会課題を踏まえ、持続可能な農業の実現に向けて果樹栽培への事業拡大を検討していた。

加えて、鈴与グループで航空事業を手掛けるフジドリームエアラインズ(FDA)が青森空港に就航しており、グループとして青森地域との結びつきが強いこともあり、青森県でりんご生産に乗り出すことにした。

日本農業は2016年の設立以来、日本産りんごを台湾や香港などアジアを中心に輸出しており、青森県で高密植栽培を採用したりんごの生産、ニーズや基準の異なる国内外の出荷に対応可能な選果・梱包の機能を持ち、川上から川下まで展開している。研究開発に取り組む高密植栽培の普及に向け、青森県内のりんご生産者や農業参入企業をサポートしている。



両社は農産品の輸出、物流、農業資材供給など幅広い分野で協業していくことを視野に入れている。

ベルファームは青森県内に支店を開設し、青森市浪岡地区に所在する約7.5haのりんご園地の開発を進めており、今年4月からの定植を予定している。日本農業は園地開発や開園後のオペレーションなどを支援する。高密植栽培に注力し、反収6.5tを目指す。


高密植栽培りんご園地の様子(いずれも両社提供)

(藤原秀行)

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