【現地取材・動画】ANA Cargo、成田空港の大規模貨物上屋に無人自動搬送システム導入

【現地取材・動画】ANA Cargo、成田空港の大規模貨物上屋に無人自動搬送システム導入

芙蓉総合リースやeve autonomyと連携、輸入貨物作業の効率化図る

全日本空輸(ANA)グループのANA Cargoとリース大手の芙蓉総合リース、工場や物流施設向けの無人自動搬送システム「eve auto」(イヴオート)を手掛けるeve autonomy(イヴオートノミー)の3社は2月19日、成田空港でANAグループが運営している貨物上屋「ANA Cargo Base+」(エーエヌエー・カーゴ・ベース・プラス)内の貨物搬送業務に同システムを採用したと発表した。同日、実運用を始めた。

併せて、3社はメディア向けに、現地でeve autoによるデモ走行を公開した。



「eve auto」は特定条件下で完全無人運転を実施する「レベル4」の自動運転が可能。これまではフォークリフトを使っていた広大な貨物上屋内の貨物搬送を自動化することで、全体の業務効率改善と人材配置最適化を図る。

3社によれば、国内空港の航空会社の貨物上屋で自動運転レベル4の貨物自動搬送を導入したのは国内で初めてという。


メディアに公開した無人自動搬送システムのデモの様子。広い貨物上屋内を搬送する

「eve auto」はeve autonomyに出資しているヤマハ発動機製の電動カートを使い、重量物をけん引する。搭載しているレーザーで周囲の人や障害物を検知すれば自動停止する。最大けん引重量は1500kg、このうち車両への積載は300kgまでと設計している。

屋外や夜間、悪天候下でも走行可能なことなどから工場や倉庫、化学プラントで採用が広がり、全国の約60拠点で約100台が稼働している。今回はeve aunotomyと芙蓉総合リースが組み、芙蓉総合リースがアセット管理などを担う従量課金のサブスクリプションサービス「eve auto ReFine」(イヴオート・リファイン)として展開している。

2025年8月に1カ月間、実証実験を行った結果、1時間当たり最大で24スキッド(専用パレット)分、約4800kg分の搬送が可能で、1日2時間程度の作業量を省人化できる効果を確認したという。



3社はまず成田空港で1台を導入。貨物上屋の第8貨物ビルの輸入貨物解体エリアから、第7貨物ビルの国際宅配便引き渡しエリアまで約300mのルートを往復する。運ぶ荷物はANAグループのOCSが取り扱っている貨物で、走行時間は積み降ろし作業を含めて往復で約10分。今後は稼働状況を見ながら、羽田空港にも展開したり、成田空港で稼働台数を増やしたりすることも検討する。


(いずれも3社提供)

成田空港の貨物上屋内で2月19日に記者会見したANA Cargoオペレーション企画部の大山和紀課長は「自動化で得られた余力によって、昨今取り扱いが増えている医薬品や半導体製造装置といった、極めて繊細なハンドリングが求められる特殊な貨物に人手を集中させることが可能になる」と指摘。

芙蓉総合リース物流ソリューション部の松井友希主任は「航空貨物業界、ひいては物流業界全体での『eve auto ReFine』の活用シーンを広げ、人手不足などの社会課題解決を実現していきたい」と成果を強調した。

eve autonomyの星野亮介CEO(最高経営責任者)は「当社のサービスはお手軽、パワフル、フレキシブルが特徴。空港の領域は当社にとっても初めてなので、心躍っている」と語った。

(藤原秀行)

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