鴻池運輸がインドで医療物流センターの建設構想

鴻池運輸がインドで医療物流センターの建設構想

天野執行役員「物流から現地病院の発展に貢献」

 鴻池運輸の天野実執行役員メディカル事業本部長は7月11日、東京ビッグサイトにて開催された「国際モダンホスピタルショウ2018」で、インドで複合・多機能な医療物流拠点(高付加価値医療センター)の建設を構想していることを明らかにした。

 同月からタミルナドゥ州、マディヤプラデシュ州など数カ所で事業化調査(FS)を進めており、早ければ20年ごろにも第1号センターを立ち上げたい意向だ。インドでこのような試みは例がなく、実現すればスタンダードモデルになる可能性が高い。

 天野執行役員は「血液などの検査ラボラトリーや医療器械の滅菌・洗浄メンテナンス、定温倉庫などの機能を備えたセンターが基点となってインドの複雑・脆弱なメディカルサプライチェーンを整流化できれば、現地病院の抱えるさまざまな課題が解消されて業務・治療のレベル向上につながる」と展望する。

 今年末までセンター建設のFSを行い、19年からマスタープランの作成に着手する見通し。施設は6千~1万坪クラスを想定しており、将来的には1州当たり3カ所を設置してセンターライン構築の青写真を描いている。インドではまだ普及していない高額検査機器、健康診断機材などを州内の病院が共同利用するシェアリングサービスも視野に入れる。

 天野執行役員は「日本企業による医薬品、医療機器、医療材料の輸出・拡販、医療インフラ整備に関わる投資機会の創出など事業ポテンシャルは高い。その中で当社が橋渡し役を担いたい」と語り、今後は異業種などとの連携によってインドの医療分野を深掘りしていく方向性を示唆した。

(鳥羽俊一)

取材に応じる天野執行役員

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